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テクノロジーは音楽の“見せ方”をどう変える? 2nd Functionクリエイター座談会

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「作品そのものよりは汎用性のきく発想を実現していく」

ーーその規模がどんどん大きくなっているのが2nd Functionでもあると。もともとは社内チームであるものが、会社や専門領域を超えて、ここまで越境するチームになったというのは想定していました?

2ndF:いや、良い意味で予想外でした。いまは各自がそれぞれの営業マンみたいになっているんです(笑)。企業さんからお話をいただいたときに、「こういう人がいるんですけど」と他のメンバーを紹介することは格段に増えました。2nd Functionという名前はエイベックスのファントム組織ですけど、もはやうちが主体でもないのかもしれない。今やっている『NINJA PROJECT』も、このチームにPanasonicさんが加わった体制で手がけてるんですが、各自の専門領域が分かっていることもあって、2週間で完成したんですよ。ティザーは武田さんが作って、YAMACHANGさんがそこで使うレーザーを打って、藤城さんが人それぞれをトラッキングして、レーザーを当てるプログラミングをする。プロジェクターと透明度の高い投射パネルはパナソニックさんから提供してもらってコンテンツはBRDGが作って、その全てを佐藤さんと下平さんを筆頭にAVCさんが取りまとめるという。

ーーこれまでのクリエイティブが生かされているうえに、新たなプレイヤーも入っているんですね。

2ndF:ここまできたらある程度チームとして仕上がった感はあるんですけど、オープンにいろんな人とは関わりたいし、それぞれがメンバーを他の仕事で起用したり、最終的にここに持ってくることも増えてくると思います。あとはここにRadical Hardcore Cliqueという音楽集団も入るので。あとはどういう人がいればいいんでしょうね?

YAMACHANG:音の元を作る人はいるけど、その音を空間的にどうするのかっていう人は必要でしょうね。

佐藤:サウンドエンジニアってことですか?

YAMACHANG:そう。映像や光の波を操る人はいるけど、音の波を操る人がいたら面白くないですか?

2ndF:だとしたら、次のピースはinvisible designs labの松尾(謙二郎)さんとか? 「オーディオビジュアル」って、要は「ミュージックアンドビジュアル」というか、ムービーではなくて視覚的に波形を操ることが重要だったり。じゃあここで松尾さんを公開スカウトということで(笑)。

ーーでは、各自が今後やっていきたいものは?

佐藤:今後は2nd Functionさんが言ったように“画角がなくなってきた”感覚がより強くなると思っているので、メンバーと『Ars Electronica』で話していた「レーザーと映像の境界線」についてのものを作りたいです。

YAMACHANG:ホログラムやMR(複合現実)に向かう一歩手前の錯視・錯聴空間を作ってみたいです。レーザーと映像って、ともに単純な括りだと「光」なんですけど、佐藤さんは映像からスタートして、僕は照明からスタートしていて、その交差点って「光」であり「波調」なんですよ。結局は光源や波長の種類の違いなんですけど、色んな波長を混ぜ合わせれば立体的に見えるし聞こえるので面白い空間体験を提供してみたいです。

藤城:僕は個人的な興味の延長線上ですが、AIや人工知能をどのように活かせるかを試してみたいです。隠れたところだけど、そういうテクノロジーを使ってますよ、というくらいのことをやってみたいですね。

2ndF:特定のオブジェクトを意識してマスクを貼り続けるとか? 確かに、下支えとしてのAIが持つ可能性はもう少し突き詰めるべきかもしれませんね。

藤城英樹氏(ZEROUNIT)。

ーー今回の『DOLLHOUSE』のように、1つのプロジェクトとして何かをやっていくとなると、その時々でやるものを変えるのとまた違った感覚になりますか?

2ndF:先日のインタビューでもお話しましたが、2nd Functionでやるのはやはり“音楽が第一義”ということで。そこを守ったうえで、各自がやりたいことをやっていけば、そこまで変わらない温度感で取り組めるのかなと思います。このチームでやっていきたいのは、作品そのものよりは発想ーー汎用性のきく発想みたいなものを実現していくこと。『i_to』はかなり理想的な形になっていると思うんですけど、プラットフォームやメソッドを発明し続けたいというか。『ADIRECTOR』はその中のたった一種類でしかないという認識で、そこにはビジネスがあって、音楽に対して映像やレーザーをつけたり、システムを組んだりしていて。

 そこが基底になってる会社でもあるので、逆にその音楽業界における光と音やテクノロジーを使って、どんな演出ができるだろうかというなかで、お客さんに演出の権限委譲をしていくかという発想になって生まれたのが『ADIRECTOR』なんです。僕らはそれを歓迎していて、そういったテクノロジーを圧倒的なビジュアルによってみせることもやるんですが、『ADIRECTOR』では「いかにコミュニケーションするか」「お客さんにディレクションしてもらうか」を体験してもらうことで、音楽業界は元気になると思っていて。だから、メンバーには「そこに対して付き合ってもらう」という感覚で、今後もやっていきたいと思います。

(取材・文・撮影=中村拓海)

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