次回公演も発表! 感動の『初音ミクシンフォニー2018-2019』大阪公演レポート
ボーカロイド楽曲をフルオーケストラで奏でる『初音ミクシンフォニー2018-2019』の大阪公演が1月25日、大阪市のオリックス劇場で開催された。東京公演に続き、チケットはソールドアウト。満員の観客が、固唾をのんで開演を待った。
1曲目に演奏されたのは、東京公演で初披露となった「39」(sasakure.UK×DECO*27)だ。2012年、初音ミク5周年を記念して制作され、いまもファンに愛され続ける同曲。ミクとクリエイター、そしてリスナーの三者を結ぶ"39=サンキュー=感謝"の輪が描かれた歌詞が、オーケストラの壮麗な調べに乗り、胸に迫る。早くも涙腺を緩ませる観客の姿が散見された。
その後、「ロミオとシンデレラ」(doriko)、「ゴーストルール」(DECO*27)と、新旧の人気曲をつなぎ、今回のメイン企画の一つでもある、巡音ルカ10周年メドレーへ。モニターに登場したルカの「ペンライトはピンク色にして楽しんでね」の言葉で、会場はピンク一色に。「Just Be Friends」(Dixie Flatline)、「ダブルラリアット」(アゴアニキ)、「ルカルカ★ナイトフィーバー」(samfree)と、ルカの代名詞的3曲が惜しげもなく披露された。
さらに、巡音ルカ10周年のアニバーサリー曲として、ジミーサムPが書き下ろした「メモリ」が届けられる。<この声が嗄れてしまっても 私は唄う 笑ってくれた 泣いてくれた そんな君へ>というフレーズの感動を、コーラス隊が盛り上げていた。ミクらしいピュアで弾むようなイメージもある「39」とはまた違う、大人のアニバーサリーソングは、オーケストラに見事に映えていた。
昨年好評を呼んだ物語性の高い「四季折の羽」(ひとしずく×やま△) 、管弦の響きが切ない夏を思い起こさせる「Fire◎Flower」(halyosy)、オーケストラならではの緊張感が楽曲とマッチした 「ロキ」(みきとP)と、鏡音リン・レンをフィーチャーしたコーナーを挟み、もう一人の主役、重音テトの10周年メドレーが披露される。
重音テトはもともと、ネットのジョークから生まれたバーチャルシンガーだが、クリエイターが注いできた情熱は本物だ。「耳のあるロボットの唄」(耳ロボP)はオーケストラで美しいメロディが強調され、「吉原ラメント」(亜沙)はリズムの利いたアレンジが「花魁」の世界と「オーケストラ」をシームレスに結び、「おちゃめ機能」(ゴジマジP)は少年性のあるテトの歌唱が沈むことなく、うまく活かされていた。偶発的に生まれた重音テトというキャラクターに命を注ぎ込んできた、クリエイターたちの歴史に寄り添う、バラエティに富んだ3曲だ。
休憩を挟み、後半はお楽しみの「名曲小編成」コーナーからスタート。「ハッピーシンセサイザ」(EasyPop)、「いーあるふぁんくらぶ」(みきとP)、「ちがう!!!」(カルロス袴田(サイゼP))と、人気曲が立て続けに披露され、会場は大いに湧いた。
ハイライトの一つになっていたのは、今年2月に発表されたヒット曲「メルティランドナイトメア」(はるまきごはん)だ。タイトル通り、オーケストラの調べに乗って、美しい悪夢に誘うような名演となった。
さらに、この季節にぴったりの北海道を応援する「SNOW MIKU」の10周年を記念する、名曲メドレーへ。北海道を中心に活躍する「雪ミクダヨー」がサプライズ登場し、大歓声を浴びつつ、「Snow Fairy Story」(40mP)、「スターナイトスノウ」(n-buna×Orangestar)が演奏された。青で統一された、ペンライトの光が美しい。続けて、2017年に好評を博した「リバースユニバース」、「エイリアンエイリアン」のナユタン星人メドレーも大盛り上がり。ナユタン星人が体を乗っ取ったミクダヨーのサプライズ登場と雪ミクダヨーとの共演も、ファンを喜ばせた。
そして続くのは、初音ミクのデモソングを手がけた、世界初の「P」である平沢栄司による、初音ミク初のオリジナルソング「星のカケラ」だ。ミクと合唱団による丁寧な歌唱、そして遠く宇宙を思わせる壮大なオーケストラが、ボーカロイドカルチャーの原点を輝かしく伝える。会場では、黄色のペンライトが星のように瞬いた。
充実の本編を締めくくったのは、巡音ルカ10周年記念曲で、ミクとルカのデュエットで送る「ガールズフレンドシップ」(Mitchie M)だ。さすが調声の名手、オーケストラに乗ったミクと、"英語力"もいかんなく活かされたルカの歌唱は、脱帽するしかない。ボーカロイドも、奏者たちも、そして大歓声を送る観客も、等しくその場に"いる"、という感覚を覚える名演だった。
鳴り止まない拍手に応え、アンコールは思わず笑いも起こった「卑怯戦隊うろたんだー」(シンP)からスタート。「やりたいようにやる!」という宣言が、オーケストラで謎の説得力を得ているのが面白い。2曲目は打って変わって、初音ミクを広く一般に知らしめる一つのきっかけにもなった、BUMP OF CHICKENの「ray」が爽やかな感動を届けた。
最終曲は、ふわりPの書き下ろしによる本公演のテーマ曲「たいせつなこと」。スクリーンに登場したルカが、「受付でお渡しした歌詞カードを見て、一緒に歌ってください」と呼びかける。ミク、リン・レン、メイコにカイト、そしてルカとテトの歌唱によるこの曲は、過去と未来をつなぎ、生きる喜びを高らかに歌う、ボカロファンにとっての新たなアンセムだ。ドラマチックなセットリストと、それに名演で応えたオーケストラに、スタンディングオベーションが送られた。
そして最後には、すべての観客の期待に応えるかたちで、『初音ミクシンフォニー』の次回開催が発表された。初音ミクシンフォニー2018-2019東京公演と同じ会場のパシフィコ横浜 国立大ホールにて行われる。気になるチケット最速先行はSNOW MIKU2019 「初音ミクシンフォニーブース」にて配布されるフライヤーにて行われる。年々、熱を帯びていく同コンサートだけに、早くも次回のセットリストが楽しみだ。
(文:橋川良寛)
(C)Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
重音テト(C)線/小山乃舞世/ツインドリル
2019年4月24日(水)発売
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※特典はなくなり次第終了となりますので、お早めのご予約をおすすめいたします。
『初音ミクシンフォニー2018-2019』オフィシャルサイト
http://sp.wmg.jp/mikusymphony/
【初音ミクシンフォニー2018-2019】たいせつなこと【オールキャスト曲】
YouTube
https://youtu.be/bU4XXHnyM_4
ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34190562