米津玄師、Suchmos、木村拓哉……アーティストたちが「微博(Weibo)」に参入している狙いとは?
今や、アーティストたちのプロモーションに欠かせない存在となったSNS。TwitterやInstagramはもちろん、LINE、YouTubeと様々なSNSが活用されている。その中の一つとして、昨今多くの日本人アーティストが利用するようになったのが、中国最大のSNS「微博(Weibo)」だ。
「微博(Weibo)」は、“中国版Twitter”とも言われている中国最大のSNS。多くの中国人が様々な方法で活用しており、マーケティングツールの一つとして地位を確立している。公式HPによると、個人アカウント数は7.2億人、公式アカウント数は291万件、企業公式アカウント数は137万件、日本企業公式アカウント数は2556件。全ユーザー数3億3500万人、日本国内のアクティブユーザー数4500万人であるTwitterよりも、圧倒的に多くの人々・企業が利用していることが分かる。
中国は口コミ大国と言われているのをご存知だろうか。昨今急速にインターネットが普及した中国では、モバイル端末で情報を収取したり、SNSを使ってコミュニケーションを取って情報を得ることが非常に多い。つまり、急成長を遂げ50兆円と言われている中国のエンタメ市場にアプローチしていくことを考えると、「微博(Weibo)」の活用は欠かせないのである。実際、多くの日本人アーティストが「微博(Weibo)」を利用している。例えば、米津玄師、Suchmos、木村拓哉、SEKAI NO OWARI、きゃりーぱみゅぱみゅ、渡辺直美……。昨年、初の日本人アーティストとして、中国最大のポップミュージックアワード『The 25th CHINESE TOP10 MUSIC AWARD』のライブイベントに招聘出演した倉木麻衣もその一人だ。
では、なぜ日本人アーティストが中国を次なる舞台としてとらえているのだろうか。2017年の日本国内音楽ソフト総生産を見ると、前年比95%と減少傾向。純粋な音源というプロダクトは国内需要が減少しているのである。かつて、エイベックスは「単なるレコード会社ではなく、総合エンタテインメント企業へ」と銘打ち、V字回復を遂げたことがあった。つまり、現在の日本国内で収益を挙げていくためにはコンサートやマーチャンダイジングなどを積極的に行なっていかなければならないのである。とはいえ、内需に頼るのにも限界がある。そこで、急成長を遂げている中国市場へ目を向けるアーティストが多いのではないかと考えられる。