松本穂香×伊藤健太郎W主演で新たな試み 冬の定番「JR SKISKI」にみる“スマホを意識したCMの形”

松本穂香&伊藤健太郎スキーCMは縦型に

 それから数年を経て、満を持してWeb特化へと漕ぎ出した背景には、言うまでもなくインターネットとテレビの垣根が本格的になくなったということがあるのだろう。パソコンはもちろんのこと、スマホで動画を観るという行為が当然なものとなり、特に若年層ではその傾向が著しい。

JR SKISKI2018-19 WEBムービー 上達篇(出演:伊藤健太郎)

 実際、現在配信されている「JR SKISKI 2018-19 WEBムービー」を観てみると、スマホでの再生を意識した縦型の映像で、普通の若者たちがスマホのカメラで思い出を記録しているというようなナチュラルな映像に仕上がっている。スノーレジャーという日常から離れた空間そのものを、日常的なガジェットを介して映し出すことで、ドラマティックな演出を必要としない。これまでのCMの流儀と逆行した発想は、実に魅力的に映える。

 とりわけ映画やドラマでは幅広い演技を披露し、いずれも個性的なキャラクターを演じることを得意としている松本と伊藤の2人が、映像の中ではいたって普通の若者として自然体に映し出されていることは、スノーレジャーが身近なものだと思わせると同時に、2人の新たな表情を引き出す働きをしていると見え、イメージキャラクターとして充分すぎるほどの適性を発揮している。今後、このような若者向けの商品・商材から順を追って、CMというメディアはテレビから離れていくことになるのは間違いないだろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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