「増田セバスチャン×クロード・モネ」と音楽家 松本淳一らがコラボ 音のVRで進化した展示を体験

「増田セバスチャン×クロード・モネ」と音楽家 松本淳一らがコラボ 音のVRで進化した展示を体験

松本淳一「意外と不器用で、個性豊かな制作過程になりました」

松本淳一
松本淳一

 増田氏と音楽家の松本氏は、今回の作品以前に映画作品でもコラボレーションした経験がある。松本氏は、今回の作品をみたとき、増田氏が芸術家として発展していることを感じたという。

「マテリアルの洪水が、体に迫ってくるのを感じました。1つ1つの点が光り輝いていて、同等で、それぞれ固有の記憶を持っている。光り輝いていたものの画が自分の中で瞬時に音へと変換されましたね」(松本氏)

 

 普段から手法のひとつとして“音の点描”のような音楽の作り方をしているという松本氏。新しい技術が加わることについては、どう感じたのだろうか。

「今回は音に動きを伴って味わってもらえるということなので、瞬間的にワクワクしました。でも地道に形作っていく道のりは、途方もない作業で……途中で心が折れかけました(笑)。またソフトの限界や制約もあり、新しい技術を使いながらもアナログなやりくりもありましたね。意外と不器用で、個性豊かな制作過程になりました。楽しかったです」(松本氏)

 増田氏の作品から、マテリアルを音に変換する、そしてそれを点で描いていくことが求められていると感じた松本氏が選んだ素材は、アナログな楽器。それらを様々な使い方で音をサンプリングしたという。

「掘り下げていく中で、記憶や体感を呼び覚ますということもアートの役目なのかなと考え、そこからマテリアルの記憶に結びついていきました。増田さんの作品と対峙し、折り重なり、混ざり合っても耐えうるものでありつつ、違った顔や空気が融合して立ちのぼるものをつくるために、どんなものを共有したいのか、ということは考えさせられました」(松本氏)

 作品を聴いた人が、それぞれの記憶をその中で、何か呼び覚ましながら記憶と対話していくことも狙った音楽作品。これから来る人へのメッセージももらった。

「とりあえず曲のある15分間、佇んでみてください。そして好き好きに色々夢想していただければと思います」(松本氏)

 ベースとなっているモネ作品と比較することができるのも、このポーラ美術館ならでは贅沢な体験。展示終了まではわずかな期間だが、ぜひ新しい技術とアナログが融合した世界へ足を運んでみてほしい。

(取材・文=ミノシマタカコ)

■展示概要
『Point-Rhythm World2018 -モネの小宇宙- サウンドプロジェクト2.0 点音の森の宇宙』
開催期間: 2018年11月15日(木)~12月2日(日)会期中無休
※モネ《睡蓮の池》は本展開催期間を通して、「ルドン ひらかれた夢」展にて展示しております。
プロジェクトプロデュース:NHKエンタープライズ
アーティスト:増田セバスチャン
音楽:松本淳一
企画:ソニー・デジタル エンタテインメント/スピーディ
協力:Lovelies Lab. Studio
公式サイト

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