SONY"謎のカードリッジ”特許の出願が判明 PS Vita後継機を開発中か?

SONY"謎のカードリッジ”特許の出願が判明 PS Vita後継機を開発中か?

世界のゲーム市場は拡大。しかし、携帯型ゲーム機は……

 以上のように岐路に立たされているPS Vitaのような携帯型ゲーム機のゲーム市場におけるポジションを知るには、まずゲーム市場全体を俯瞰する必要があるだろう。調査会社Newzooは、4月に世界ゲーム市場の成長を予測したレポートを発表し、その概要を同社ブログ記事で報じた。世界ゲーム市場は2012年から2021年まで年平均成長率11%で拡大し、2021年には約1,800億ドル(約20兆4,000億円)規模になると予想されている。ゲームハード別に見ると、モバイルゲーム部門がもっとも成長し2021年には市場全体の59%を占めることになる(下の画像参照)。

画像出典:Newzoo「Mobile Revenues Account for More Than 50% of the Global Games Market as It Reaches $137.9 Billion in 2018」

 とはいうものも、モバイルゲーム部門の成長をけん引するのはスマホとタブレット向けのゲームだ。Newzooが発表したレポートによれば、2018年のゲーム市場のうち51%をモバイルゲーム市場が占めている。注目すべきは、モバイルゲーム部門には携帯型ゲーム機が占める位置がもはや存在しないことだ。2016年のレポートでは、携帯型ゲーム機は「HANDHELD(手持ち型ゲーム機)」というカテゴリー名で2%のシェアを占めていたが、2017年以降のレポートではこのカテゴリー自体が消滅している(下の画像参照)。こうした経緯は、同カテゴリーがもはや注目に値しないことを示唆している。


 画像出典:Newzoo「Mobile Revenues Account for More Than 50% of the Global Games Market as It Reaches $137.9 Billion in 2018」および「The Global Games Market Reaches $99.6 Billion in 2016, Mobile Generating 37%」

 SonyにとってPS Vita後継機の開発は選択肢のひとつかもしれないが、その後継機を従来通りスマホと競合する携帯型ゲーム機というポジションで市場に投入するのはリスクがある、と言わざるを得ない。むしろNintendo Switchのように据え置き型ゲーム機の周辺機器的な位置づけで開発するほうが、ゲーム市場に居場所を見つけられるかもしれない。

トップ画像出典:The Verge「Sony game cartridge patent hints at development of a Vita successor

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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