Nintendo Switchと『Nintendo Labo』がアメリカの小学校で教材に 学びと遊びの融合を実現か?
21世紀の人材に求められる「STEM」「STEAM」とは?
任天堂の発表において言及されている「STEAM」の意味を理解するには、まず「STEM」を知らなければならない。STEMとは、「科学(Science)」「テクノロジー(Technology)」「エンジニアリング(Engineering)」「数学(Mathematics)」を意味する英単語の頭文字を集めた造語である。この4つの分野に関するスキルが国際競争力を左右するという認識のもと、こうしたスキルを伸ばす教育として「STEM教育」という言葉も生まれた。STEAMとは、STEMに表現力やデザイン思考を司る「芸術(Art)」を加えたものだ。STEAMの精神を体現している著名人には、筑波大学准教授の落合陽一氏やアーティストのスプツニ子氏が挙げられるだろう。
現在、世界各国がSTEAM教育を重視した政策を実施している。日本において2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されるのも、STEAM教育政策の一環と見ることができる。また、文部科学省が作成した世界各国のSTEM教育に関するレポートによると、アメリカでは2020年までにSTEM分野の教員を10万人養成する計画を2013年に発表している。
以上のように将来の国際競争力を左右するSTEAM教育の現場にNintendo SwitchとLaboが進出することは、任天堂のブランド力を大きく高めることにつながるだろう。
トップ画像:任天堂アメリカ法人プレスリリースより画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi