“あの人のゲームヒストリー”第五回:佐野勇斗
佐野勇斗が語る、ゲームから得た“役柄への共感” 「架空のキャラクターを心の支えに」
「いつか大きなステージで戦うくらいになりたい」
ーー業界内にゲーム友だちはいますか?
佐野:結構色々な方がゲームをやられているので一緒にやることもあるのですが、みんな強いので、競い合う感じです。世界的に見たら全然弱いんですけど、eスポーツを目指そうかな、と思うくらい真剣にやっています! いつか大きなステージで戦うくらいになりたいですね。
ーー『3D彼女 リアルガール』の撮影中も、例えば息抜きにゲームはしていましたか?
佐野:そうですね。『クラロワ』はもちろん毎日やっていました。そう! それと、撮影中に「ゲームをやっていてよかった!」と思ったシーンがあったんですよ。PSP(PlayStation Portable)を使うシーンがあって、そこでやり込んでいないとしない持ち方、独特の指の掛け方ができて(笑)。「『モンスターハンター』をやるときはこうやって持つのが一番ラク」という、わかる人にはわかる持ち方なんですけど。
ーーなるほど、見る人が見ればわかるリアリティーですね(笑)。
佐野:そうなんです。細かいところなんですけど、注目してもらえたら嬉しいですね。
ーー佐野さんはゲームをかなりやり込むタイプだということが伝わってきますが、今回『3D彼女 リアルガール』で演じた筒井光も、好きなことを突き詰める、自分の世界を持ったキャラクターだと思います。ゲーマーとして、共感する部分はありましたか?
佐野:そうですね。僕自身、ゲームもそうですし、アニメも大好きなんです。そういう意味で、一つのことにガッと集中して追求する、という気持ちはよくわかりました。例えば、『ドラゴンボール』を観て、自分も「気」を出せるんじゃないかと思って、本当に集中して練習していたこともありましたから。気を練って、「体から黄色い光、出ないかな」って(笑)。
ーー「かめはめ波」を出そうとしてみる、というのはアニメファンなら誰しも通る道かもしれません(笑)。そういう想像力は、演技というお仕事においても大切になる場面があるのではと。
佐野:そうだと思います。確かに、僕もかめはめ波も一人で撃とうと頑張っていました(笑)。僕がゲームにハマったり、アニメを観ていたりしなかったら、筒井くんに共感しながら演じるのは難しかったかもしれないですね。ゲームやアニメに登場する架空のキャラクターを心の支えにするほどリアルに感じる、という気持ちもよくわかりますし。