「ああああ」選手がストレートで優勝! 『RAGE Shadowverse Brigade of the Sky』レポート

「RAGE Shadowverse Brigade of the Sky」をレポート

 2018年9月16日、幕張メッセにてe-sportsイベント「RAGE 2018 Autumn」が開催された。バーチャルYouTuberによるe-sports大会を始め、国内初となる『Fortnite』のファン参加型イベント、そしてゲーミングチーム2組による『レインボーシックス シージ』のエキシビジョンマッチなど、大きな盛り上がりを見せたイベントとなった。

 そのうちの目玉となっているのが、『Shadowverse』(以下、シャドウバース)の熾烈な予選を通過した猛者たちによるトーナメント『RAGE Shadowverse Brigade of the Sky』だ。その模様をレポートしていこう。

そもそもシャドウバースってどんなゲーム?

 『シャドウバース』は、Cygamesより配信されているデジタルトレーディングカードゲームだ。同社タイトルである『進撃のバハムート』『グランブルーファンタジー』などのキャラクターたちがカードとなっているのが特徴。プレイヤーは、エルフ、ロイヤル、ウィッチ、ドラゴン、ネクロマンサー、ヴァンパイア、ビショップ、ネメシス8種類のクラスからリーダーをひとり選び、40枚のカードからなるデッキを作成していくこととなる。このとき、それぞれのクラスによって使えるカードや、カードの特徴も変わってくる。

 本作はターン制で進行し、各プレイヤーは自分のターンにのみ行動が可能だ。カードをプレイするためには、左上にある数値分のPPが必要となってくる。PPはターン開始ごとに上限まで回復し、ターン経過ごとに1ずつ増え、最終的に10まで上がる。また、カードは以下の3種類から分類されている。

フォロワー

場に出して直接相手のリーダーやフォロワーを攻撃できるカード。左下に攻撃力、右下に体力が表記されている。

スペル

プレイ時にさまざまな能力を発揮し、場には残らないカード。

アミュレット

プレイすると場に残り、永続的に能力を発動するカード。フォロワーからは攻撃されることはない。

 ほかのカードゲームにはないシステムとして、“進化”が挙げられる。先攻にふたつ、後攻に3つフォロワーを進化する権利が与えられている。進化することでステータスが向上したり、強力な能力が発動するようなフォロワーも存在する。ターン制カードゲームの特徴として、先攻が先に強力なカードを使用できるため、先攻有利とされている。そのため、後攻には先攻のアドバンテージを埋めるために進化権をひとつ多くプレイできるのだ。

いよいよ決勝戦 優勝に輝くのはいったいどちらだ

 朝早くから行われていたトーナメントを勝ち抜き、決勝の舞台へ駒を進めたのは、「ああああ」と、「フォレスト/森の家」だ。それぞれ異なるクラスのデッキを3つ使い、先に5勝した選手が勝利するBO5方式が用いられている。なお、一度勝利したデッキは同じ試合では使うことができない。そのため、すべてのデッキで毎試合1度は勝たなければならないのがこのルールにおける一番のポイントだ。

 まず、両者のデッキを見ていきたい。今大会は第5弾〜第9弾からなるカードパックとベーシックカードでデッキを組み戦う“ローテーション”方式が採用されている。まず、これらのカードパックを用いて作るデッキで強いとされているリーダーを紹介していこう。

 自分のリーダーに「自分のターン終了時、このターン中にカードを3枚以上プレイしていたなら、相手のリーダーに2ダメージ」という効果を付与する「翠嵐の斧使い」を軸とするエルフ。効果が重複するため非常に強力だ。

 出した際に相手のフォロワーすべてと相手のリーダーに3ダメージを割りふって与える「ギガントキマイラ」軸のウィッチ。このカードはスペルを使うたびにダメージが1ずつ増えていく。

 自分のリーダーか自分のフォロワーを回復させると、相手の場にフォロワーがいるならランダムな相手のフォロワー1体に、いないなら相手のリーダーに2ダメージを与えるアミュレット「天狐の社」軸のビショップ。削られた体力を一気に回復し、こちらの体力、盤面を有利状況させやすいカードだ。

 最後にカード効果で手に入る「操り人形」で相手フォロワーを除去したり「人形の少女・オーキス」「復讐の人形遣い・ノア」といったカードで「操り人形」を強化して畳みかけるプレイが基本となるネメシス。

 以上、4人のリーダーが主に大会で猛威を振るうだろうと予想されていた。決勝戦に残ったふたりはというと、ああああがウィッチ、ネクロマンサー、ネメシス。フォレスト/森の家はエルフ、ウィッチ、ネメシスというリーダー選択をしていた。ベスト8でネクロマンサーを持ち込んだのはああああひとりだけである。ネクロマンサーはビショップに若干有利を取れるものの、おそらく持ち込まれるであろうエルフ、ウィッチ、ネメシスには動き出しが遅いというのもあって不利という位置付けとなっていた。

 さて、それぞれが意気込みを語ったあと、いよいよ決勝戦の開幕だ。ああああがネメシス、フォレスト/森の家はエルフをチョイス。拮抗した戦いを見せるも序盤から「奮励の儁秀・シルヴァ」から「清新なる銃設計士・ククル」を場に出すといった、理想的な動きをできた、ああああが優勢。最後はPP9になった際、ちょうど「復讐の人形遣い・ノア」を引き、フォレスト/森の家の体力を削りきった。

 2戦目は、ああああがウィッチ、フォレスト/森の家は再びエルフで挑む。ああああは開幕からスペルを使うことでコストが下がる「フレイムデストロイヤー」を2枚手元に持っていた。対してフォレスト/森の家も悪くはない手札だったが、6ターン目に大型フォロワー2体を押し付けられ、返す手段がなくそのまま敗北。

 2戦2勝でリーチをかけた、ああああ。最後はただひとりネクロマンサーを使い、勝ち抜いてきたデッキを信じて戦うことに。フォレスト/森の家はここでデッキを交換。ウィッチで優勝王手を阻止しにいく。「ギガントキマイラ」を序盤から握っていた、フォレスト/森の家。これは有利かと思われていたが、しっかりフォロワーを並べてウィッチの嫌がる戦略でじわじわと体力を削っていく。ああああは、PP7で「幽霊支配人・アーカス」を着地させる理想的なプレイ。フォレスト/森の家も「キングスノーマン」で体力を削られないよう、直接リーダーへ攻撃をできなくさせる守護フォロワーを並べて対抗。しかし、ああああは潤沢に手札があり難なく突破されてしまった。こうしてフォレスト/森の家の体力をゼロにし優勝を決めたのは、ああああ!

 優勝後、彼には優勝賞金400万と優勝トロフィー。そして、12月15日〜16日に開催される世界大会への出場権が贈られた。400万の使い道については、奨学金の返済と新車が欲しいと語っていた。イベント最後は、『シャドウバース』プロデューサーである木村唯人が登壇。世界大会の情報や「RAGE Winter 2018」についての告知を発表し、大会は閉幕となった。

■聖☆あべさん
ゲーム・アニメなどエンタメに強いフリーライター。人生の大半を遊びに費やしてきたと自
負している。これまでお世話になってきたコンテンツたちに恩返しするべく、ライターとし
て活動することを決意し、現在進行形で鋭意執筆中。Twitter(@yokato_1110

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