東海オンエアの代名詞“企画力の高さ”はどのように育まれた? 視聴回数ベスト5の動画から紐解く

 チャンネル登録者数が350万人を突破し、まだまだ勢いの止まらない人気YouTuber集団・東海オンエア。そんな彼らの特徴を形容するときに“企画力の高さ”という言葉がよく用いられる。今回は、東海オンエアの動画のなかから視聴回数上位5つを取り上げ、どのようにしてその共通認識が出来上がってきたのかを考察していきたい。

第5位 視聴回数約994万回 【第一回】東海オンエア、モノマネ王決定戦!!!

【第一回】東海オンエア、モノマネ王決定戦!!!

 2017年1月19日公開の動画。 今でこそ東海オンエアのメンバー6人が全員集合している動画はあまり珍しくないが、この頃はまだそこまで多くなかったように思われる。満を持して投稿された動画は、メンバー一人ひとりが順番に持ちネタのモノマネを披露していくという、個人のポテンシャルに賭けたど直球のネタ。 モノマネが繰り出されていくなかで、メンバー同士はあまり笑うこともなく、「あ〜、いつものあのネタね」といった具合に淡々と順番がまわっていくが、視聴者にとってはもちろん新鮮なものであり、大いに笑える動画であったことだろう。内輪でウケたネタもひとたびYouTubeで公開すれば、視聴者みんながその“内輪”と化し、笑いの輪が広がっていくということだ。

第4位 視聴回数約1051万回  【めちゃむずい】想像だけでコーラ作り対決!!

【めちゃむずい】想像だけでコーラ作り対決!!

 2017年5月14日公開。メンバーが文系と理系に分かれ、ネット検索などせずに想像で料理などを作ることに試みる 「文理対決シリーズ」の中でも群を抜いて視聴回数の多い動画だ。「文系」と「理系」というのはあくまでも動画を分かりやすくするためのネーミングでしかなく、実際は「感覚派(天然派)」vs「理論派」といった様相で展開。この動画では、YouTuberのアイコンでもある“コーラ”を作ることに試みた。文系の自由な発想と理系の論理的な思考がはっきりと分かれる“買い物”のステップでワクワクしたり、知識格差によって理系側が文系側をバカにするところに、この動画の普遍的なおもしろみがある。

第3位 視聴回数約1140万回 友達と超盛り上がるゲームを紹介!!

 2014年9月19日公開。比較的初期の動画である。この頃の動画は、彼らがまだ大学生であったということもあって“ノリの良さ”によって作り上げられているものが多い。そんな中での今回の動画は、大学生の飲み会で行われそうな内輪ネタ感の強いものに仕上がっている。また、東海オンエアのメイン動画に女性が出演するというのはかなり珍しく、しかもそれがYouTuberではなく彼らのプライベートの友人だというのが特異な点。そのあたりが今でも再生され続けている所以なのかもしれない。

第2位 視聴回数約1149万回 新競技「1500m牛丼」で世界新記録達成!!

新競技「1500m牛丼」で世界新記録達成!!

 2016年9月13日公開。トラックを1500m走り、そのあとに 牛丼を一杯完食するまでを競い合うという内容。この動画を見て、てつやへのストーカーを働いてしまった視聴者がいるくらいに、謎の魅力に満ちている動画だ。視聴回数の伸びに関しては、そのストーカー被害がニュースなどでも報道されたことが大きく影響しているであろうが、ヒカキンとのコラボ動画において、「お互いのチャンネルの中で一番好きな動画」という話題になった際にヒカキンがこの動画を挙げていたくらい、文句なしにおもしろい動画であると言える。


【放送事故】酒飲みながら東海オンエア×ヒカキンで質問コーナーやったらヤバかったwww

第1位 視聴回数約1700万回   口に牛乳を含んでヒカキンさんの動画を見てみた

 2015年10月10日公開。ヒカキンによるゲーム実況チャンネル「Hikakin Games」の中からランダムに動画を選択し、口に含んでいる牛乳を吹かないように見れるか? という動画がダントツの1位。これは、 YouTuber界隈で今年の初夏ごろに流行った「絶対に笑って
はいけないTikTok」のような動画のハシリだと言えるかもしれない。当時の彼らは、2017年にUUUMに所属するようになり、前述の通りヒカキンチャンネルにもコラボとして呼ばれるようになった現在のことを予想できただろうか。「Hikakin Games」ありきの動画ではあるが、大物YouTuberをある種イジっていくという彼らの自由さが、視聴者との共犯的な信頼感を作り上げている。

 以上、東海オンエアによる視聴回数ベスト5の動画を振り返った。第1位や第3位のような初期の動画と、第2位と第4位のような比較的最近の動画を見比べてみると、大学生ノリが強い「内輪ネタ動画(内向きの動画)」が、徐々に視聴者を意識した「外向きの動画」に変わってきつつあるのがわかる。撮影している自分たちだけが楽しむのではなく、堅実にターゲットに向けて発信していくということ。だからといって、内輪ネタが全て無くなってしまっているわけではなく、第5位の動画のように視聴者をも内輪へと巻き込みながら進化を遂げている。要するに、企画の幅が広がってきている、ということだ。

 東海オンエアでは、メンバーそれぞれが企画を出し合う「企画会議」を行なっていることが度々動画内で語られているが、“6人”というメンバーの多さもその幅広さに直結しているように思う。動画を見返すことでもう一つ気づくのは、動画一本ごとの再生時間が少しづつ伸びてきていること。企画にコシがあり、内容が濃くなければそうはできないところだ。YouTubeというエンターテイメントの「クオリティ底上げ」の一翼を担ってきたプロフェッショナル集団・東海オンエア。その企画力の高さは、年を経るごとにさらなる進化を遂げていくのだろう。

■原航平
1995年生まれ。映画や音楽、 ドラマに演劇、漫画など、あらゆるカルチャーをむさぼる
人生を送るひと。Twitter:@shimauma_aoi

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる