エイベックスやビヨンセが惚れた高音質スピーカー日本上陸 「デビアレ」が示す音体験テクノロジー
9月6日、日本にフランスから高級WIFIスピーカー「PHANTOM」が上陸した。「世界最高の音質」を謳う、この革新的なスピーカーを手がけるのは、フランス・パリに本社を構えるオーディオスタートアップ「デビアレ」(Devialet)だ。
SF映画を想起させる丸みあるユニークな設計と、1台でライブコンサート会場並みの迫力ある音を出力するパワーを有するPHANTOM。すでに世界400拠点以上で販売されるこのスピーカーの魅力に惹かれて、ビヨンセとジェイ・Zも数台所有しているという。高音質な音楽体験を求めるユーザーに向けた製品力とブランド力に加えて、これまでにない音楽体験を作るテクノロジー企業として注目が集まっている。
フランス大使館で行われたデビアレの製品発表会では、まず駐日フランス大使のローラン・ピック氏が冒頭で登場した。「音楽のプロをもうならせる高品質で、音楽好きにはたまらない音を届ける製品です。デビアレはすでにスタートアップの領域を超えた企業です」とデビアレを紹介。また、ピック氏は「PHANTOMにはフランスが誇る伝統職人の技術力と、高級志向ある製品を追求するモノづくりの精神が込められています。高品質を保つためフランス国内で設計から技術開発を進めています」とスピーカー作りへのこだわりも明かした。
続いて登場したのは、エイベックス株式会社のグループ執行役員で、デジタルR&Dや戦略投資などを手がける加藤信介氏だった。PHANTOMの1ファンとして登壇した加藤氏は「初めて聴いた時、全ての音がパラで聴こえ、重低音が非常に優れていて、率直にびっくりしました」と第一印象を語った。さらにエイベックス会長の松浦勝人氏もPHANTOMの大ファンだと明かし、「松浦の会議室に4台、コワーキングスペースに3、4台、エイベックス社内に10台のPHANTOMが設置されています」とコメントした。
そして「PHANTOMは日本の音楽を変える可能性があると思っています。僕らが提供するコンテンツを楽しむ環境がより豊かになり、僕たちのアーティストにも製品について伝えやすくるなると思いますので、本当に上陸が楽しみです。資本関係にはございませんが、エイベックスとアーティストは全力で日本におけるローンチに協力したい」と述べた。
その後、Devialet Japan事業開発マネージャーのルカ・フェネック氏が登場し、デビアレのブランド戦略と、日本での販売戦略について説明した。フランスを代表するオーディオスタートアップとなったデビアレは、今まで存在しなかった世界最高峰の音響技術を開発することを目指しており、「今までの音響世界ではコストとサイズの問題がありましたが、デビアレでは使いやすくてコンパクトな製品を作り、世界中の家庭に音楽体験を届けることを目指しています」とモノづくりの思想を話した。
フェネック氏は、PHANTOMの技術的な話にも触れ、「PHANTOMの最大出力は4500ワットで108dB。これは、ライブ会場の出力と同等のパワーになります。他社の音響技術で音質と音量を再現すれば、PHANTOMの20〜30倍の設定とコストが必要になります」と他社製品を凌駕する圧倒的な音響出力テクノロジーを紹介。さらに「世界初のハイブリッドな増幅技術『ADH Intelligence』がデビアレのコアの技術となります。『ADH Intelligence』は、創業者で会長のPierre Emmanuel Calmelが、世界最高のアンプを作ることを夢にアナログとデジタルの音質の良さを維持するために開発した音声増幅技術です」だと説明した。