異彩を放つVTuber・ピーナッツくんとは? 奇抜なだけではない、圧倒的な企画力と対応力
そんなピーナッツくんがぽんぽことともに行った集大成とも言える企画が「24時間生配信」だ。委員長、剣持に加えおめがシスターズやパンディなど大勢のゲストを迎え、大きな盛り上がりをみせた。
ピーナッツくんの企画には視聴者を巻き込んでいくものも多い。デニムくんをダメージジーンズにするため暴言をコメント欄に書き込ませる「デニムくんの心のダメージジーンズ」や、女子高生(という設定)の視聴者と直接スカイプで通話をする「JK枠」などの参加型コーナーは、ピーナッツくんの代名詞とも言える。
視聴者に委ねる部分の大きい配信は何が起こるかわからないが、毎度危なげなく進行していくピーナッツくんの対応力には驚かされる。見た目や声の奇抜さに目が行きがちだが、この企画力と対応力に加え、時事ネタを適度な距離感で取り込む嗅覚、ぽんぽこという相方の存在、笑いの要素、さらにはVTuber定番の歌までをこなすスキルはまさに“地固めがすごい”と言える。天才肌な部分を見せる一方で、VTuberの基本を分析し計算されたキャッチーさも随所に表れている。
もう1つ、ピーナッツくんの特徴としてあげられるのが、VTuberに焦点を当てたメタ的な企画が多いということだ。キャラクターの魅力を押し出していくVTuberの基本的なスタイルとは異なり、ピーナッツくんは「VTuberとはなんなのか」を常に考えている。初期の頃には「僕は外様の人ですから」と事あるごとに発言していた。
その考え方から生まれたのが、ぽんぽこのチャンネルで配信されたにじさんじに入るためにはどうすればいいかを考える「にじさんじ模擬面接」や、「24時間生放送」内で行われたVTuberにおける2Dと3Dの違いを議論していく「VTuber有識者会議」だ。にじさんじ最高執行責任者のいわなが氏も登場するなど、業界内外で大きな盛り上がりを見せた。また誰彼構わず突っかかるピーナッツくんのキャラクターも「本当はVTuberに憧れてるだけなんだ」という要素が入ることで、可愛らしい絡みへと変わる。
7月にはピーナッツくん憧れの土地・原宿で生誕祭を開催。ここには古くからのピーナッツくんファンであるグラビアアイドル・霜月めあがスペシャルゲストとして登場した。またTwitterではかしこまりやばあちゃるをはじめとする多くのVTuberからお祝いの言葉をもらっていた。
アニメ配信で着実にファンを増やし、満を持してVTuberデビューしたピーナッツくんは、今やVTuberの中でも配信やコラボを通して一目存在になってきている。この先きっとピーナッツくんは、台風の目としてこの界隈を大きくかき回す存在になっていくはずだ。
(文=馬場翔大)