『エースコンバット7』、懲罰部隊で“捨て石ミッション”に挑戦! 最新ロム試遊レポート

『エースコンバット7』試遊レポ

 試遊台で選べたのはF-14、ラファール、タイフーンの3機。いずれもジェット戦闘機としては人気・知名度ともに高い機体である。とりあえずここはベタにF-14をチョイス。で、ハンガーでは戦闘機のモデルを見られるのだが、従来のシリーズに比べると機体表面の情報量が圧倒的に多いことに驚く。F-14は機体の各部が埃などでドロドロに汚れていることが多いのだが、ゲーム中のCGモデルでも実機さながらの汚れっぷりで嬉しくなる。正直おれがプラモデルを塗るよりずっとうまく汚れているのだ。「こんなに表面に色々描き込んであるモデルがそのまま飛ぶのか……」と、まだハンガーも出てないのに手が止まりそうになる。


 というわけでいざ出撃。目指すはエルジアの前線基地だ。横には同じ部隊の僚機が飛んでいるのだが、僚機のコールサインが「スペア〇〇(〇〇には任意の番号が入る)」である。スペアって。ひどいコールサインをつけられたもんだ……。いきなりの消耗品軍団ぶりに驚きつつも、「いつものことだ」「正規部隊の連中が着く前に俺たちで燃やしちまえばいいんだろ」「冴えてるじゃないか、スペア8」という無線交信の軽口が聞こえてくる。ッカ~~!! これ! 捨て石の兵隊同士、ノイズ混じりのやさぐれた軽口が嬉しい! おれは今懲罰部隊に放り込まれてるんや……という実感がヒシヒシと湧いてくる。

 操作性はほとんど今までのエースコンバットのまま。HUDのみ、コクピット内部、機体後方という3つの視点位置が選べるのも今まで通りだ。左スティックを左右に倒すとそのまま機体がカーブするモードか機体をロールさせるモードかが選べるが、慣れの問題からロールのみの挙動を選択。ロックオン、ミサイル発射、撃墜という戦闘の流れも本当に「いつものやつ」感がすさまじいし、戦闘中に入ってくる無線のやりとりも慣れ親しんだノリだ。何も足さない、何も引かない。「うん! これこれ!」「こういうのでいいんだよ、こういうので」と口をついて出そうになる。ハンバーグを前にした井之頭五郎(『孤独のグルメ』の主人公)も、こんな気持ちだったに違いない。

 といっても新要素はちゃんと盛り込まれている。強烈だったのは「機外の大気の状態」を感じられる点だ。というのも、『7』では戦場の上空に雲が湧いているのである。敵を追いかけて雲の中に突っ込んでいくと視界が一気に悪くなってHUDの表示しか見えなくなり、コクピット視点でプレイしているとキャノピーの全面が一気に水滴だらけになる。で、雲から出るとその水滴がザーッと後方に飛んでいくのだ。「あ、飛行機で雲に突っ込むとこうなるのか……」という実感がある。試遊台で遊べたミッションは比較的天気のいいステージだったのでこの程度で済んだが、本編ではもっとひどい天候の中で戦う可能性がありそうだ。というか、試遊できたミッションだけでも、空戦中に視界がなくなると充分怖い。

 残念ながら時間制限があったので、ミッションクリアまではたどり着けずタイムアップ。めちゃくちゃな対空砲火の中、死なずに制限時間まで飛べただけでも恩の字である。というわけで、現時点で言えるのは「"あの"『エースコンバット』が帰ってきましたよ!!」ということだ。ゲームシステムだけでなく、セリフのノリやミッション内容も含めて、エースコンバットらしいエースコンバットだったな……という印象。シリーズのファンは期待しても大丈夫だろう。発売はまだしばらく先だけど、とりあえずおれは忘れずに予約しておこうと固く決意している。

■しげる
ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

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