82歳のバーチャルYouTuberが戦争体験を語る 岡崎体育×ヤバT『テンゴちゃん』の革新的な面白さ
今回のレギュラーからは、バーチャルなスタジオからの放送となった『テンゴちゃん』。平成最後の終戦記念日ということで、戦争がテーマになり、岡崎体育とヤバイTシャツ屋さんは重いテーマに困惑した様子。そこに登場したのは、御歳82才の戦争体験者・森口貢さん。森口さんは戦争の悲惨さを伝えようと語り部をしているのだが、より多くの若い人に伝えるため、流行りのバーチャルYouTuberに挑戦するというのだ。(動画は公式サイトにて公開中)
今回、仕上がった動画を観て実感したのは、本人の声とバーチャルYouTuberのキャラクターにギャップがあることで、非常に目を惹く動画に仕上がっているということだ。これまでアナログに口頭で伝えるしかなかった戦争体験を、全く新しい方法で幅広く伝えることができるのは、デジタルの使い方としても優れているのではないか。この手法は、顔を出して目立ちたくはないものの、文字ではなく口頭と身振り手振りで伝えたいことがある人々にとって大きなメリットがあり、今後さらに多くの人々に普及する可能性もありそうだ。新しいコミュニケーションの可能性を提示したという意味でも、今回の放送は意義深いものだったといえるだろう。
また、番組ではほかにも、平野レミがせんそうグルメ”海藻まんじゅう”を作ってみたりと、戦争を題材としながらも『テンゴちゃん』らしく遊び心のある企画が行われていた。今後も『テンゴちゃん』では、様々な題材を独自の切り口で紹介していくのだろう。特に新しいテクノロジーに対してどんなアプローチをしていくのかが興味深いところだ。
(文=本 手)