短編アクションRPG『Minit』日本語版発売 60秒後の死と復活の無限ループから脱出せよ!
8月9日、Devolver DigitalよりNintendo Switch、PlayStation 4向けダウンロード用ソフト『Minit』の販売が開始された。本作は海外で活動する著名なクリエイター4名のコラボレーションによって誕生したインディーゲームで、今年4月3日に海外先行でPC(Steam)、PlayStation 4、Xbox Oneでリリース。国内ではNintendo Switch、PlayStation 4版が供給された。また、Steamで配信中のPC版も、近日中に日本語対応アップデートが実施されることが告知されている。
先月始め、当サイトでは「音楽好きも注目したい、日本語版登場が待ち遠しい海外インディーゲーム4選」という記事を掲載し、本作を取り上げた。ついに日本語版がリリースされたことを受けて、あらためてこの風変わりな作品の魅力を紹介したい。
60秒後、アナタは死んで、蘇る!
本作は見下ろし視点で繰り広げられる、『ゼルダの伝説』風のアクションRPGだ。ある日、主人公は浜辺に落ちていた一本の剣(つるぎ)を発見。興味本位で手に取ってみると、なんと60秒後に命を落としてしまった。その剣は手に取った者の余命を1分にする「呪いの剣」だったのだ! かくして、主人公の生涯は一瞬の内に幕を閉じたと思われたが、ほどなくして自宅で復活。九死に一生を得た……と思いきや、肝心の呪いは全く解けておらず、再び60秒が経つと死を迎え、自宅で蘇るという無限ループに陥ってしまったのだった。この悪夢から一刻も早く抜け出すため、主人公は剣の呪いを解くカギがあるとされる「工場」を目指し、旅に出る……というのが、物語のあらましだ。
本作の特徴は物語にもある通り「60秒後の死」。フィールドを歩いたり、敵や障害物を手に持った武器やアイテムで対処したり、住民と会話をしている最中でも時間がカウントされ、0になれば主人公は問答無用で死亡し、自宅に戻されてしまう。この地獄のような呪いと隣り合わせの状態で様々な土地を巡っては、工場に至る手がかりを探るという、制限下でやれるだけのことをやり遂げていく面白さが、最大の持ち味だ。
一筋縄ではいかない本編の構成も大きな見所。基本的に「工場」に至るまでの道筋は手探りだ。こうしろああしろとゲーム側から指示されないので、自力で道を切り開いていかねばならない。
舞台となる土地はそれほど広いものではなく、怪しい場所を重点的に探っていけば、物語はきちんと進展していく。探索の過程で手に入れたアイテム、やり遂げたイベントも死亡後にリセットされることもなく、持続されるので、辛抱強く取り組み続ければ行動の範囲も広がって、思わぬ近道ができるようになったり、今まで足を運べなかった場所にも行けるようになる。
このような制限によって、見た目は昔懐かしいアクションRPGでありながらも、独特なやり応えを持ち合わせた内容にまとめられている。プレイヤーのできることは歩く、武器やアイテムを使う、呪いの強制発動(自滅)の三つだけと少ないが、要所要所で計画性が試される内容。インディーゲームらしい尖ったアイデアが光る作品になっている。