日村勇紀&崎山蒼志&かとゆい独占インタビュー 「高校生フォークソングGP」優勝者大会を振り返る 

日村勇紀&崎山蒼志&かとゆい独占インタビュー

崎山蒼志 メールインタビュー

ーー大会優勝おめでとうございます。音楽を始めたきっかけは、幼少期に母親の影響で聴いたthe GazettE(ガゼット)とのことですが、ほかに影響を受けたアーティストがいたら教えてください。

崎山蒼志(以下、崎山):きのこ帝国、ナンバーガール、ゆらゆら帝国、クリープハイプ。

ーー「五月雨」にあるような、思春期の苦悩を表現した歌詞が崎山さんの魅力の一つだと思いますが、影響を受けた作品はありますか。

崎山:そこまで、思春期の苦悩を表現してるつもりはありませんが、曲を作った時に恩田陸さんの「夜のピクニック」を読んでいました。

ーー崎山さん独特の「言葉」がどう生まれているのか気になります。例えば、子供のころ好きだった本や漫画があれば教えてください。

崎山:中村文則さんや、松本大洋さん、大友克洋さんの作品は今でも好きです。

ーーくるりの岸田繁さんも「右手最高」と絶賛されていましたが、ギターテクニックはどのように習得されたのでしょうか。

崎山:遊びながら練習してました。

ーー崎山さんから見た、かとゆいさんの魅力だと思う部分はどこですか。

崎山:話してても面白いし、曲は凄いかわいい感じのなのに、何かが凶器的です。

ーーまだ高校に入学したばかりではありますが、今後の将来像があれば教えてください。

崎山:良い作品を作りたいです。


かとゆい メールインタビュー

ーー大会優勝おめでとうございます。大会で披露していた「7を浮かべて」には、展開や歌詞に衝撃を覚えました。あの曲がどうやってできたのかを教えてください。

かとゆい:正直なところ無意識のうちにつくっていました。「典型的なダメ人間」は完全に語感で生まれたもので、曲が八割方できはじめたころに世界観が『ドグラ・マグラ』という小説に重なることに気付き、そこから微調整を加えました。発狂タイムは歌に加えようか迷っていましたがテレビの本番直前に面白そうという理由で歌うことを決心しました。

ーー憧れのミュージシャンはクレージーキャッツということですが、ほかに影響を受けたアーティストを教えてください。

かとゆい:たまからの影響は大きいです。演奏技法や歌詞などはかなり参考とさせていただいています。最近だとネクライトーキーのもっささんの歌い方や出で立ちにも影響を受けています。

ーー「音楽は常に輪郭を変え、同じ音を二度と繰り返せない」とVTRにありましたが、その言葉の意図を詳しく教えてください。

かとゆい:憧れのミュージシャンに影響を受けて日々変化を繰り返すシンガーがいて、そうなると歌われる歌も徐々に変化をしていくものです。ぼくは即興で歌詞や歌い方を変えることがあるので、まさにその瞬間にしか存在できない音楽を自分自身も楽しみにしています。

ーー多彩な言葉で韻を踏む歌詞が特徴的ですが、ソングライティングにおいて意識していることはありますか。

かとゆい:歌詞は基本的にスキャットで曲を作ってそのままの語感を保ったまま日本語に変換していく方法で書いています。そのうえで意識しているのは説明文にならないこと、韻を踏むこと、言葉で遊ぶこと、この三つです。特に言葉というのは「時間が膨らむ」などの想像し難い情景を表現することができるので、その特性を生かせられるといいなと思っています。

ーー「パラボラ」をはじめとしたポップで遊び心のあるメロディーは、どのように作曲している のでしょうか。

かとゆい:陽気に歩いているときに歩調に合わせて鼻歌を歌っているとよくこのような明るい曲の一部が生まれます。一日の中で何パターンも曲の断片ができるので、その中から選りすぐりを録音して良いとこどりをして一曲に仕上げています。もともと明るい曲はあまり書いていなかったのですが、最近になって性格が明るくなったのか、曲調も明るくなりがちですね。

ーーかとゆいさんから見た、崎山さんの魅力だと思う部分はどこですか。

かとゆい:やはり飾っていないところでしょうか。一見素朴なクッキーなのに、食べてみたら中にチョコレートが入ってた! みたいな驚きと興奮があるのだと思います。それとゆるさですね。ふたりで神社の境内を散策する機会があったのですが、そのときも「マイナスイオンだねー」「うん、マイナスイオンだー」というゆるいやり取りがとても心地よかったです。

ーー自身の今後の将来像があれば教えてください。

かとゆい:定年後に縁側で庭園を眺めながら、音楽を静かに奏でていたいなぁ……という願望が昔からあります。それ以外のことはまだはっきりしていません。教員にもなりたいし、特撮監督にもなりたいし、もちろん音楽家としても活動したいですし。農家になりたいと思った時期もあります。まだ遠い未来のことは想像がつきませんが、せっかく音楽に出逢えたことですから、その道を進めるところまで歩いていこうと思います。

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