フィッシャーズが渋谷ゴミ拾いに参戦! ヒカキン、へきトラハウスらと連鎖する、楽しい善意の輪
人気YouTuberの間で、サッカー・ワールドカップ日本代表戦の喧騒後、渋谷の街をきれいにするゴミ拾いの輪が広がっている。
6月20日には、HIKAKIN(ヒカキン)が日本代表の劇的勝利にわいた初戦・コロンビア戦後に渋谷を訪れ、ゴミ拾いをする動画を公開。「偽善」という言葉とともに、否定的な声も散見されたが、これに対して過激派YouTuberトリオ・へきトラハウスは26日、「やらぬ善よりやる偽善」を合言葉に、あえて“あくまで人気取りのためだ”という露悪的な態度でファンとともにゴミを拾い、彼ららしいやり方でヒカキンを支援していた。
そして30日、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気グループ・フィッシャーズが、渋谷ゴミ拾いに参戦。「ゴミ拾い逆再生したらポイ捨てのヒドさがわかる!?」と、企画性のある動画をアップロードした。
日本代表の決勝トーナメント進出決定後、リーダーのシルクロード(シルク)を始め、ンダホ、モトキ、マサイの4人が朝5時の渋谷へ。シルクは「ゴミ拾いというものを、一個の作品にしたい」と、ゴミ拾いを逆再生した「偽ポイ捨て映像」を作り、いかにおかしなことかを見てみよう、という企画趣旨を説明した。モトキは「街をきれいにしつつ、映像トリックで街を散らかしてる映像を作るんだ(笑)」と楽しそうだ。
メンバーは逆再生を意識した後ろ歩き&大きな動きで、次々とゴミを拾っていく。210リットルのゴミを収集し、「長谷部(誠)さんより、心整えられてるかもしれない」とシルク。「ポイ捨ては、こんな風に見られています」として流された逆再生映像は、力作に仕上がった。特に、シルクがペットボトルを拾い、キョロキョロと周りを見た後にゴミ袋に入れ、全力逆走するーーという映像を逆再生したシーンは、思わず拍手を送りたくなる出来栄え。大げさに“ポイ捨て”をしていく映像は、フィッシャーズの狙いどおり、ゴミ捨てを滑稽なものに見せていた。
他にも多くのYouTuberが、渋谷のゴミ拾いに参戦している。「ヒカキンが掃除しに来る前に渋谷のゴミを全部拾う」という動画や、「1時間で渋谷のゴミを多く拾った方がイケメン選手権」として競い合う動画など、それぞれに自分たちの色を出しながら、あれこれと工夫しているのが印象的だ。相変わらず、「偽善だ」「便乗の売名だ」など否定的な意見も見られるところで、もちろん、ゴミ拾いを名目にした迷惑行為があったなら問題だが、善意だけでは必ずしも広がりにくい行動が、「面白い」「流行っているからやる」などプラスアルファの理由で拡散していくのが痛快でもある。
今回だけでなく、ハロウィンやクリスマスなどのイベントごとに際して、街でゴミ拾いを“ネタ”にした動画は数多く投稿されている。こうした動画を見てみれば、何かと問題が報じられることも少なくない「YouTuber」へのイメージも変わるかもしれない。
(文=橋川良寛)