電子楽器の祭典『Superbooth 18』 “ソフト全盛時代”ながらハードの翳りなし?
RD-808
BEHRINGERはここ最近、モジュラーシンセやヴィンテージシンセのクローンに並々ならぬ力を注いでいる。クローンの定番にしてRolandの名機「TR-808」を模した「RD-808」の発表は、ある意味で技術が洗練されてきたことの証左かもしれない。回路は全てアナログで、ローパスフィルターも搭載している。ゴムボタンは現代的だが、打ち込みのボタンは色も形も「TR-808」をよく再現している。
会場では、Rolandの「SH-101」を模した「MS-101」も展示されていた。また、「TR-808」に続き、「TR-909」のクローンも開発中とのこと。
Tanzbär 2
アナログドラムマシンとして人気を博している、MFBの「Tanzbär(タンツバー)」が新しくなって登場。ツマミなどの操作感に大きな変化はないが、上部のパッチポイントがキックやスネアのミキサーフェーダーに置き換わっている。ライブパフォーマンスでは重宝するだろう。
µAcid8、hapiNES
フランスのメーカー・Twisted Electronsは、基板むき出しのチップチューンシンセ「µAcid8」「hapiNES」の二基を展示。操作も音も見たままという感じで、Teenage EngineeringのPocket Operatorシリーズなどと一緒に使ってあげたい。共に99ユーロで、公式サイトにてプリオーダーを受け付けている。
Web上のレポートによると、この他にもKickstarterにてクラウドファンディングで資金調達をしていた高機能モジュラーシンセ「Super Signal Processor」や、発売時期が待ち望まれるTeenage Engineeringの「OP-Z」などが展示されていたようだ。最近ではRolandもモジュラーシンセ「System-500」シリーズの新ラインナップを発表していたが、大手メーカーもモジュラーに力を入れてくるとなると、ハードシンセの世界はまだまだ面白いことになりそうだ。
■ヤマダユウス型
DTM系フリーライター。主な執筆ジャンルは音楽・楽器分析、アーティストインタビュー、ガジェット、プリキュアなど。好きなコード進行は<IVM7→VonIV>、好きなソフトシンセはSugarBytesの「Obscurium」。主な寄稿先に『ギズモード・ジャパン』、『アニメイトタイムズ』、『リアルサウンド』。