Googleカレンダーの新デザインは使いにくい? それとも優れている? UIデザイナーが解説するリニューアルの意図と効果

Googleカレンダー新デザインを読み解く

リニューアルが成し遂げる統一的な体験

 Googleは今までもWeb版Googleカレンダーのデザインを細かくアップデートしてきました。膨大なユーザーを抱えたサービスにとって、大きなデザイン変更は「変化を恐れる」という人間の本能によって、比較的批判寄りの意見を誘発します。それでも今回、彼らが大幅なリニューアルを行ったのは、やはり「マテリアルデザイン」の存在が大きいでしょう。今後、さらに膨れていくサービス数や機能をなるべくシンプルに保ち、わかりやすい体験で横断的に複数のサービスを使って欲しい彼らにとっては、長期的な戦略を考えると十分理にかなった施策と言えると思います。

 余談ですが、UIデザイナーとしては、こういった画一的なデザインルールでサービスが設計されていることは、新しい機能を追加したり、古い機能を刷新する時などの「制作コスト」を大きく下げられることもメリットだったりします。昨今、多くの企業が自社オリジナルのデザインガイドラインを公開しているのは、こういった、制作者側の視点も少なからずあると思います。

 また先日、Gmailも小規模なデザインアップデートを行いました。こちらもやはり「マテリアルデザイン」を踏襲した統一的な体験を提供するための施策であると考えられます。引き続き、Googleのサービス改善には目が離せません。

■コウノアスヤ
インハウスのUIデザイナーとしてIT企業に勤めながら、ゲームのレビューなどを掲載するブログ「超ゲームウォーカー!」や雑談系Podcast「東京ゲーム事変」などを運営。サブカルチャー・ガジェット系インフルエンサーとしてPR記事の執筆なども行う。
超ゲームウォーカー!:http://gamewalker.link

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