遠隔操作やマルチプレイも DAWが楽しめるKORG Gadget for Nintendo Switchレビュー
2018年4月26日、ダウンロード専用ソフト『KORG Gadget for Nintendo Switch』がリリースされた。価格は5000円。開発にはニンテンドーDS向け音楽ソフト『KORG DS-10』と同じ株式会社DETUNEが関わっており、ニンテンドーハード向けのKORG音楽ソフトとして順調なバージョンアップを果たしているともいえる。
『KORG Gadget』シリーズは現在、iOSとmac版がリリースされている。それぞれタッチインターフェースとDAW統合プラグインに最適化された形になっていたが、Nintendo Switch版は果たしてどうだろうか。実際にプレイしてみたのでその所感をお届けする。
UIの印象はグッド。ピアノロールやシーンも見やすい
Nintendo Switchの画面は16:9とかなり横長だが、インターフェースは綺麗にまとまっている。特にピアノロールの横幅に余裕があるため、打ち込みをする際も非常に操作しやすかった。打ち込みは十字キーとボタンでカチカチと打っていくのだが、十字キーの操作感とリピートキーまでの入力時間が短いため、入力速度はそこまで遅くない。なおタッチ操作でのピアノロール入力には対応していないようだ。
ピアノロール部分は最大1/64までグリッド化可能で、三連符にも対応している。スケールやキーを設定しておけば、適当に打ち込んでもそれなりのフレーズができるだろう。味付け程度の連符があると一気にそれらしくなる。
また、ピアノロールに打ち込んだノートはオーバービュー画面で一覧できる。各トラックの音色となるガジェットもこの画面から変更が可能だ。とりあえず先にノートを打ち込んでおいて、リピートさせながら好みの音色を探していくという使い方になるだろう。シーンごとにフレージングしていけば曲単位での制作も可能だし、リピートさせればシンセジャムのような使い方もできる。
スイッチ版のユニーク要素、遠隔操作
Nintendo Switch版KORG Gadget最大の特徴は、各ガジェットのツマミをJoy-Con(Nintendo Switchのコントローラー)で遠隔操作できることにある。『KORG Gadget』開発担当の佐野電磁氏のデモを見てもらうとわかりやすい。
これがなんともセンセーショナルで、「Joy-ConみたいなMIDIコントローラーがあれば……」などと思ったほど。指輪型のMIDIコントローラーなどではなく、あくまでコントローラーでありながらジャイロも効くというのがミソだ。応答精度もよく、フレーズをリピートさせながらグリグリ動かすだけで本格的な制作をしている感覚が得られる。
ではJoy-Conを画面に取り付けた状態ではどうするかというと、画面を傾けることで操作できるようになっている。つまり、手元でポチポチしたいときは“画面傾け”で、TV出力やテーブルモードでプレイするときは遠隔操作というかたちだ。また、右スティックによる上下キーでの操作にも対応している。