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遠隔操作やマルチプレイも DAWが楽しめるKORG Gadget for Nintendo Switchレビュー

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遊ぶのは楽しいが、操作性はもっと追い込めそう

 実際にプレイしていて迷ったのが、タッチ操作ができる場所とそうでない場所の違いだ。例えばガジェット画面の鍵盤部分はタッチに対応しているのに、ツマミやパラメーター類はタッチ非対応となっている。そのくせカーソルはどちらの領域にも移動できるので、タッチ可能エリアとそうでない部分の境目がわかりにくい。ツマミもタッチ操作に対応してくれればiOSデバイスのような使い心地も得られるが、現状そうではないためiOS版から引っ越してくるユーザーは注意してほしい。

 また、制作した楽曲のエクスポート機能も充実しているとはいえない。他のNintendo Switchにデータを送ることはできるが、mp3やWAV形式での書き出し機能はないため、Nintendo Switch版で制作した曲をエクスポートする手段は、現状だとアナログで録音するか30秒制限の動画撮影機能を使うしかない。これもSDカードにエクスポートできる機能があればより制作ツール然としてくるが、そもそも即興的なプレイや制作過程そのものにフォーカスしたスイッチ版KORG Gadgetにそれを求めるのはお門違いというか、出来上がりの音源だけを聞くならNintendo Switchを使う必要もない。とりあえずの書き出し機能があれば、このあたりのモヤモヤも晴れるだろう。

 とはいえ、タッチ部分のアクセシビリティやボタンの階層性などは、慣れてくればどうにでもなることではある。「簡単に打ち込めて、楽しく音色を変えられる」という部分はしっかりとクリアできており、ゲーム性も感じた。逆にいえば自分のDAW環境への統合や、スタンドアローンで完結するDAWツールを期待していると物足りなく感じるだろう。そうした仕事は、iOS版やmac版に讓ろう。

スイッチに楽器属性を付与する一作

 所感としては、「Nintendo Switchに1つあれば、いつでも音楽的なことが楽しめるソフト」という印象だ。複数のNintendo Switchがあれば、マルチプレイでの音楽制作やライブ演奏も楽しめる。DAWに縁がない人でもツマミを動かしたり打ち込んだ場所で音が鳴るというのは興味深い体験だと思うし、そうした制作の面白さをシェアするのは任天堂ゲームらしいと感じた。

 アップデートで曲のエクスポート(ライブレコーディング)、ツマミ類のタッチ操作、そしてGadgetの追加などが可能になれば、現状に物足りなさを感じていたユーザーにもアピールできるのではないかと思う。もちろん、現状でもNintendo Switchで音楽を作れる楽しみは十分味わえるため、本格的に音楽制作を行っている人も、手軽に遊んでみたいというユーザーも、ぜひ一度試してみてほしい。

■ヤマダユウス型
DTM系フリーライター。主な執筆ジャンルは音楽・楽器分析、アーティストインタビュー、ガジェット、プリキュアなど。好きなコード進行は<IVM7→VonIV>、好きなソフトシンセはSugarBytesの「Obscurium」。主な寄稿先に『ギズモード・ジャパン』、『アニメイトタイムズ』、『リアルサウンド』。

      

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