「ゼルダ嫌い」を解消するほど面白かった『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
もうひとつの理由は非常に単純だ。Nintendo Switchの発売当初はそこまでたくさんゲームがあったわけではなかったので、何かひとりでじっくりと遊べるタイトルがぜひとも欲しかったのだ。そして結論からいえば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は私の「ゼルダ嫌い」をなくしてくれた。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は広大なハイラルの地を自由に冒険することができる。主人公のリンクは「ゼルダ姫を助け出す」といったおおまかな目標は与えられているものの、それをどういう順番でこなすかはプレイヤー次第だ。各地を回ればより力を得ることができるものの、いきなりラスボスに挑むことだってできる。
そして世界にはたくさんの祠があり、そこに謎解きが存在している。謎そのものも理不尽さを感じるものが少なかったが(星を数えるやつだけは論外だが)、何より嬉しかったのは祠を無視してもいいというところだ。今までであれば謎が解けなければ先に進めなくなったのだが、それがないというだけで本当に心地よい。いや、途中の大きなダンジョンには解かねばならない謎もあるのだが、それも強引な解法があったので本当に助かった。謎に詰まって苦しんでストレスを溜めるということが本当に少ないのである。
こうなるとハイラルの広大な大地はとても素晴らしいものになる。美しいが寒さが厳しい雪山、見ているだけで汗をかいてきそうな砂漠、突如大きなドラゴンが現れて驚かされるジャングル……。好きなところへ行けばいい、世界を救うのを忘れたっていい。今までは密室でゲームを遊んでいたかのようだったが、本作は穏やかな風が吹く中ですべてを楽しめているような気持ちになったのだ。
そんなわけで、私にとって『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はすごいゲームである以前に、『ゼルダの伝説』への偏見をなくしてくれた一作なのだ。
◆『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』詳細情報
・プレイできるハード:Wii U、Nintendo Switch
・価格:6,980円(税別)、DLC込みのバージョンは9,295円(税別)
・関連サイト:https://www.nintendo.co.jp/zelda/
(c)2017 Nintendo
■渡邉卓也
「マリオの乳で育った男」と自称しているゲームライター。サラリーマン時代、定時で帰ってゲームをしようとしたら「そんなに早く家に帰ってすることあんの?」と上司に嫌味を言われ「あ、そういえば自分は仕事などではなくゲームをするために生きているのだった」と思い直しゲームライターとなる。好きなキャラクターは「しずえ」と「カービィ」。