動画で振り返るユニークすぎるロボットたち 「ボストン・ダイナミクス」とはどんな企業なのか?

ボストン・ダイナミクスが発表し続けるロボットの進化史

 では本題に移り、ボストン・ダイナミクス社の開発の軌跡を見ていこう。まずは冒頭で紹介した「Spotmini」のような4足歩行ロボットが進化を続けてきた軌跡を紹介したい。最も新しい機能である「ドアノブをひねる」に至るまで、どのような試行錯誤がなされてきたのだろうか。

 2009年、同社の公式YouTubeチャンネルで初めて投稿された動画を見ていただきたい。

BigDog Reflexes

 このロボットの名は「BigDog」。これはアメリカ軍の装備運搬を想定し開発された。今から9年前にはなるが、この当時から気味が悪いほど生き物に近い動きをしている。

 それから3年後、2012年3月に新たに発表されたのが「Cheeter」。これは後に、最速18マイル(約29キロ)のスピードで走行可能な「WildCat」として進化を遂げるロボットだ。

Cheetah Robot Gallops at 18 mph

 2013年には新型機「Spot」を発表、このロボットが冒頭で紹介した“ドアノブをひねる”「Spotmini」の前身となる。

Dynamic Robot Manipulation

 2015年には、「Spotmini」にかなり近づいたモデルの「Spot」が登場。109kgの重量があった「BigDog」と比較し、重さ75kgとかなり小型に。それでも一定の速度で走行が可能であり、キックのような衝撃にも耐えることができる。これまでに蓄積されたロボット技術ノウハウを注ぎ込んだ結晶となる仕上がりになっている。

Introducing Spot

 2016年には、ついに現在展開されるシリーズ「Spotmini」の端緒となるロボットが登場した。

Introducing SpotMini

 そして、黄色くスマートなボディを身に纏った新しいロボット「Spotmini」を発表した。上述の「Spot」からさらに、重量が約2分の1に軽減されている。動画の変遷をご覧いただくと一目瞭然なように、初期にモデルに比べて軽やかな動きが実現されている。

The New SpotMini

 そして、今年大きな話題になった“ドアノブを開けるロボット”である「Spotmini」が発表される。最初期の4足歩行ロボット「BigDog」が発表されてから9年。酔っ払いのようにヨレヨレと歩いていたロボットは、凛とした「生き物」を思わせる風貌へ進化を遂げた。

 軍事目的で開発された4足歩行ロボットだが、現在では災害時、人が入れない場所への捜索や、介護ロボットとしての活躍が期待されている。最後に、“ヒト型ロボット”の研究発展の軌跡も辿っておこう。

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