『Amazon Echo』に独自AIチップ導入へ スマートスピーカーは家電を統合する「AIスピーカー」になるか
Fast Companyによると、Amazonが音声アシスタント「Alexa」のための独自AIチップを開発中だという。「Alexa」搭載のスマートスピーカー『Amazon Echo』などで動作予定。AmazonはAIチップを取り入れた「Alexa」がこの先、家庭のブレーン的な役割を果たすと考えているようだ。音声による指示で動く「スマートスピーカー」から、自ら学習し考える「AIスピーカー」へと進化する、最初の一歩である。
そもそも日本においては、『Google Home』の発売に際してさまざまなメディアが「AIスピーカー」と呼称し、それが定着しているが、海外では「スマートスピーカー」という呼称が一般的だ。あらためて考えると、決められた言葉の指示に反応する機能を「AI=人工知能」と呼ぶのは、厳密には誤りと言えるだろう。GoogleやAmazonも、自社の製品を「AIスピーカー」と説明したことはなかった。
しかし、スマートスピーカーにAIを導入するという発想は、すでに広く語られてきたことだ。照明や部屋のBGM、冷暖房から洗濯機、掃除機、玄関のロックなど、AIが生活の多くの部分を自動的に制御する「コネクテッドホーム」という構想も現実味を帯びてきたなかで、「AIスピーカー」の登場にも期待がかかっていた。
さて、開発中の独自AIチップによって、Amazon Echoはどう進化するのか。報道によれば、音声アシスタント『Alexa』の動きが高速化するという。つまり、これまでは指示された言葉を一度、Amazonのサーバーに送信し、データを受信して対応する、という流れになっていたが、AIが導入されればその過程を飛ばし、自分で考えて答えを導き出すことができるようになるということだ。
うまくいけば、オフラインでも音声アシスタントが動作するようになる。AIが導入された「Alexa」はリモートサーバーに頼らなくなり、いつかインターネットに繋がなくても、家の頭脳として家電をすべて統合できるようになると、Amazonは考えているようだ。そうなったとき、違和感なく、正真正銘の「AIスピーカー」だと、堂々と呼ぶことができるだろう。
開発中の独自AIチップがいつごろ「Alexa」に導入されるかは、まだ明らかになっていない。他社の動向も含めて、続報が待たれるところだ。
■小林一真
1995年生まれの上智国際教養学部学生。インディーエモバンドBearwearのボーカル。たまにライブカメラマン。就職先探し中
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