DAZNはスポーツ視聴/観戦体験をどう変える? 専門家がその可能性を考察

 スポーツ専門のストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が、2月24日のオープン戦からプロ野球計11球団の試合を配信している。DAZNは、イギリスを拠点とするパフォーム・グループが2016年夏に開始したサービスで、日本ではNTTグループと提携し、プロ野球のほか、JリーグやF1など様々なスポーツの試合を配信してきた。プロ野球に関しては、昨年までセントラル・リーグの広島東洋カープと横浜DeNAベイスターズの2球団のみの配信を行ってきたが、競合となるソフトバンクのスポーツ専門ストリーミングサービス「スポナビライブ」が、2018年5月にサービス終了することに伴い、全12球団中11球団の配信を行うことになった。

 ますます勢力を拡大しつつあるDAZNは、スポーツの視聴体験においてどんな変化をもたらすのか。ストリーミングサービスに詳しいジャーナリストの西田宗千佳氏に話を聞いた。

「DAZNは、動画配信サービスとしての機能や料金は標準的ですが、多数のスポーツを集めたというサービスの組み立て方が革新的でした。たとえば、衛星放送の付帯サービスとしてストリーミングサービスがあるとか、映画やドラマに加えてスポーツも楽しめるとか、F1やバスケットボールに特化したサービスはこれまでもありましたが、多くの人々が観たいであろうスポーツを網羅的に集めたストリーミングサービスはありませんでした。

 これまでスポーツ中継の主要なサービスだった衛星放送に比べて価格競争力があり、しかも唯一の競合とされてきたスポナビライブが撤退を発表したため、一強といって良い状況になっています。Jリーグに関しては、DAZNが10年間に渡って放映権を買い取ったため、以前はスカパー!などの衛星放送で鑑賞していたファンは移行せざるを得ません。ストリーミングは録画ができないため、良い試合をライブラリーで保存するといった衛星放送のような楽しみ方はできないものの、多くのスポーツファンにとって必要不可欠なサービスとなってきているのは間違いないでしょう。

 DAZNは、スポーツの視聴/鑑賞体験そのものにも変化をもたらします。自宅の外でもリアルタイムで観ることができるとか、あるいはタイムシフト視聴ができるとか、利便性においても変化がありますが、一番大きいのは、スタジアムあるいはテレビである試合を鑑賞している最中に、手元のスマホで別の試合もリアルタイムでチェックできることでしょう」

 たとえば、白熱した順位争いが展開されるシーズン終盤などは、こうした「同時視聴」の需要は高まるだろう。DAZNは読売ジャイアンツのホームゲームこそ視聴できないものの、Huluも合わせて契約すればほぼ全ての試合をストリーミングサービスで追うことが可能だ。その意味で、DAZNは新しいスポーツ観戦のあり方を提示したといえそうだ。

 また、スポーツ界ならびに放送/配信業界全体にとっても、DAZNの動きは注目に値すると、西田氏は続ける。

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