宇野維正の映画興行分析
あまりの面白さに口コミ効果加速 『オークストリートの異変』は夏のダークホースとなるか?
8月第3週の動員ランキングは、前週首位に返り咲いた『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が週末3日間で動員60万2000人、興収8億9500万円をあげて1位。これで、日本だけでなく世界的に大ヒットとなっている『トイ・ストーリー5』や『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』といった強力なライバル作品を相手に、公開から4週で3週トップに立ったことになる。今週土曜日からは入場者特典第3弾として全3種のセイレーンのプルバックカーの配布も決定し、3週連続4週目の首位奪取に向けた体制も盤石。今週末にも『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』『トイ・ストーリー5』に続く2026年公開作品として3作目の興収100億円を突破するのが確実な情勢となっている。
初登場作品で最上位につけたのは8位にランクインした、アン・ハサウェイとユアン・マクレガーのダブル主演による恐竜スリラー映画『オークストリートの異変』。今年のサマーシーズンの映画館は大盛況ということもあって順位こそ奮わないが、オープニング3日間の動員18万人、興収2億9400万円という成績は、監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェルにとってこれが初の大作映画、世界同時公開ということもあって日本での公開前のプロモーションが手薄だった、などの条件を考えれば十分な健闘と言えるだろう。公開されてから作品の評判も広がっていて、ウィークデイに入ってからも数字が落ちていないので、この夏のダークホース的なスマッシュヒットとなる可能性も出てきた。
『オークストリートの異変』は本国ではワーナー配給、日本では昨年末でのワーナー日本支社の配給業務終了を受けて、東和ピクチャーズ(と東宝)の配給。現体制で本国のワーナー作品が日本公開されるようになったのは今年2月公開の『嵐が丘』からだが、以降、『ザ・ブライド!』、『ゼイ・ウィル・キル・ユー』、『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』、『モータルコンバット ネクストラウンド』と週末のトップ10にも入らない作品の公開が続き(その4作品は上映スクリーンも少なかったが、それだけ期待もされていなかったということ)、さすがにそれなりのヒットになると期待されていた『スーパーガール』も最終興収4億円台と不発。今回の『オークストリートの異変』でようやく光明が見えてきたかたちだ。
もっとも、今年に入ってからも本国とほぼ同じタイミングで公開されてきたワーナー作品も、ここにきて『Evil Dead Burn』(北米では7月10日公開)など日本公開が未発表の作品も出てきた。10月日本公開の『DIGGER/ディガー』では主演のトム・クルーズのプロモーション来日も決定したが、その後もなんとか日本公開の体制がこのまま維持されるといいのだが。
■公開情報
『オークストリートの異変』
全国公開中
出演:アン・ハサウェイ、ユアン・マクレガーほか
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
製作:J・J・エイブラムス
配給:東和ピクチャーズ・東宝
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公式サイト:https://oak-street.jp/
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/