『風、薫る』“直美”上坂樹里の乙女な演技に胸キュン “小川”甲斐翔真との関係にむずむず

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』第98話は、直美(上坂樹里)と小川(甲斐翔真)のむずむずするような関係性がフォーカスされた。

 無償の派出看護を始めた直美は、喘息で苦しむ四郎(岡部尚)のもとへ通っていた。四郎は工場の日雇いとして働いていたが、今は仕事を休みがちに。家には育ち盛りのふたりの男の子がおり、妻の登勢(前田亜季)は夫の看病、子育て、家事、そして家計を支えるためにマッチを作る内職もしていた。

 現代では主に女性が家事や子育てを1人でする“ワンオペ育児”が問題となっているが、登勢のやっていることはそれをはるかに超える“ワンオペ大黒柱”だ。さらに、四郎は夜になると咳がひどくなってしまうため登勢もよく眠れていないようで、イライラが重なり、内職のミスも増え、夫婦の仲もギスギスし始めていた。

 看護の基本は、清潔な環境だが生活をする上ではどうしても優先順位が低くなってしまう。でも、そんな状態では治るものも治らない。そんな負のループを繰り返さざるを得ない反町家の生活環境をどうすることもできず、直美は苦悩していた。

 そんな直美の心のモヤモヤを察知したかのように、直美の職場に「約束の日ではありませんが……」とやや緊張した面持ちの小川が訪ねてきた。それまでは、しのぶ(木越明)に仕事の悩みを真剣な顔で打ち明けていた直美だったが小川の顔を見ると表情が一変。男女関係の機微に敏感なしのぶは、用事を作ってさっと2人きりの空間を作っていった。

 特に火急の用事があったわけではなさそうな小川は、要するに単に直美に会いたかったようでしばらくは2人の間に話題を探すような気まずい時間が流れるが、直美が四郎の家から持ち帰ったマッチを見つけると、小川は自身の過去やマッチにまつわる思い出を語り出した。

 マッチ工場に勤めていたことのある直美にとってマッチは、労力のわりに低賃金な仕事によってできるものであまりいい思い出がない。しかし、小川にとってはさっと擦るだけで火が生まれる“魔法”のようなもの。昔から物事のマイナス面が見えてしまう直美にとっては小川のものの見方は新鮮で思わず「小川さんは好きなもの見つけるのが上手ですね」と笑顔を見せた。

 注目したいのは、直美を演じる上坂樹里の表情の違いだ。仕事に真剣に向き合っている直美は、仕事の同僚や患者だけではなく、患者を甘やかそうとする見舞客にも厳しい。小川と出会ったときも、入院していた友人に好物の牡丹餅を差し入れようとしていたところを目撃し、注意して激しい口論になっている。言うなれば“鬼の看護師”だ。しかし、小川に心をゆるしつつある現在は、誰が見ても「恋をしているんだな」と分かってしまうような柔らかさが表情に出ていて、年相応の乙女っぽい雰囲気が漂う。小川を見つめるだけの顔もかわいらしく、彼の話に心の底からおかしそうに笑う様子に、見ているこちら側が「これは小川も惚れてしまうよな……」と納得せざるを得ないほどだ。

 小川もとうとう気持ちが溢れてしまったようで、真剣な眼差しで直美を見つめながら「結婚してください」と申し出た。だが、実は直美本人は自分が抱いている気持ちに気がついていなかったようで、小川の言葉に驚き、突発的に「すみません」と断ってしまった。小川の気持ちを直接聞いてから、草履の鼻緒を見たり、台所でマッチを見たりするたびに小川との時間を思い出す直美。でも同時に何かが心に引っかかっているようだ。

 これまで、仕事や自分の過去に向き合ってきた直美は、今度は自分の幸せについて考える必要がありそうだ。その過程で直美と小川の関係性がどのように変化していくのだろうか。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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