『ブルーロック』“凪”&TEAM Kがハマり役 アニメファンも驚いた“力の抜けた”天才像
そして、そうした高い身体能力を“天才らしく”見せるところまで含めて、Kの凪はよくできている。
潔たちが必死に走り、考え、試合のなかで自分の武器を探していくのに対し、凪は驚くようなプレーをどこか当然のようにやってのける。周囲が驚くほどのことをしている、という自覚すら薄い。その“力の抜けた天才”という感覚こそが、凪を凪たらしめている。
Kの身体表現にも、その脱力があるように思う。大きく身体を使う場面でも力みが見えず、難しいプレーを決めたあとも涼しい顔のままだ。「このくらいできて当然」という空気をまとっているからこそ、凪の才能の異質さが際立っていた。
Kのテレビドラマ初出演は、2024年の『「私をもらって」~追憶編~』(日本テレビ系)。俳優としてのキャリアはまだ始まったばかりだ。それだけに、凪役で見せる芝居の細やかさには驚かされる。とりわけ印象的なのが、低いテンションを崩すことなく、凪の内側に芽生えていく変化を見せていることだ。
凪は感情が表に出るタイプではなく、序盤はサッカーそのものへの執着も薄く、玲王に誘われたから続けているという側面が大きい。それが潔たちとの戦いを通して、思い通りにならない相手と出会い、勝ちたいと思い、もっとサッカーを知りたいと感じ始める。
原作やアニメで色濃く描かれる御影玲王との関係は、本作ではそれほど大きく掘り下げられない。尺の都合もあるのだろう。そのぶん軸に据えられているのは、天才である凪と、挑戦者として食らいついていく潔の関係だ。Kの抑えた芝居のなかで、凪が少しずつ“点火”されていくさまが際立つ。表情や声のトーンを大きく変えず、視線やわずかな間の取り方に少しずつ熱をにじませていく。Kは凪特有の低い温度を最後まで保ちながら、序盤と終盤では確かな変化を感じさせる。
個性的な選手たちが並ぶなかで、凪誠士郎という“天才”を生身の身体で成立させたK。その再現度は、本作の大きな見どころのひとつと言っていいのではないだろうか。
参照
※ https://www.cinematoday.jp/news/N0156254
■公開情報
『ブルーロック』
全国公開中
出演:高橋文哉、櫻井海音、高橋恭平、綱啓永、野村康太、K(&TEAM)、青木柚、西垣匠、富本惣昭、倉悠貴、東啓介、畑芽育、窪田正孝
監督:瀧悠輔
脚本:鎌田哲生
原作:金城宗幸・ノ村優介『ブルーロック』(講談社『週刊少年マガジン』連載)
主題歌:Ado「モンストロ」(Capitol Records/ユニバーサル ミュージック)
制作:CREDEUS
製作:CK WORKS
配給:東宝
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS
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