松村北斗はなぜ誠実な役が似合うのか? 『九条の大罪』烏丸真司の“静”の演技が光る理由

松村北斗という俳優は、誠実な好青年の役がよく似合う。近年のいくつかの出演作を振り返ってみれば、多くの方に納得していただけるだろう。そしてそんな姿は、彼の最新の出演作である『九条の大罪』でも確認できる。ハードでヘビーな世界観を持つ作品であっても、いや、だからこそというべきか、演じることに対する松村の真っ直ぐな姿勢が際立っている。ここでは“松村北斗=烏丸真司”について綴ってみたい。

この『九条の大罪』とは、半グレやヤクザなどの裏社会の住人たちの依頼ばかり引き受ける弁護士・九条間人(柳楽優弥)の生きる道を描くもの。“ハードでヘビーな世界観を持つ作品”と先述しているように、かなりダークな物語の展開が話題を集めている。
そんな本作で松村が演じる烏丸真司は、九条法律事務所で居候弁護士として働くこととなった人物だ。東大卒の優秀な人材で、非常にマトモな性格。アウトサイダーたちと関わるようになっても、自身の信じる正義を曲げることなく一定の距離を取り、付き合いに慎重になっているのがうかがえる。そういうキャラクターだ。

松村が『九条の大罪』に出演すると知ったとき、少しばかり驚いたものだ。このドラマは概要を一読しただけで、どういったタイプの作品なのかがすぐに分かる。登場人物たちの相関図を目にしただけで、およそマトモではない物語が繰り広げられるのだと想像がつく。そんな作品の出演者の並びの中に、あの松村北斗がいるのだ。

冒頭で述べているように、松村は誠実な好青年の役がよく似合う。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期/NHK総合)や映画『ファーストキス 1ST KISS』(2025年)で演じたヒロインの相手役がそうだ。女性たちの想いに真摯に向き合うキャラクターは、いずれも好青年というほかないものだっただろう。しかし、ここでふと気が付いた。松村が誠実な好青年にハマるという表現は正しくないのではないか、と。





















