山﨑賢人のジョン万次郎は間違いない! 『ジョン万』『逆賊の幕臣』はセットで観る大河に?
4月9日、2028年のNHK大河ドラマが『ジョン万』に決定し、主人公の「ジョン万次郎」こと中濱万次郎を山﨑賢人が演じることが発表された。脚本は、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)などを手がけた藤本有紀が担当する。
歴史に名が残るはずのなかった貧しい漁師が、漂流の末にアメリカへと渡り、日本を救う“知と技”を得た一流の船乗りとなる姿を描く「一大感動巨編」という本作。大河ドラマ初出演にして大役を担うことになった山﨑と、藤本の脚本というタッグについて、時代劇にも造詣の深いライターの麦倉正樹氏は、「非常に納得のいく、期待が高まる人選」と語る。
「山﨑さんは大河ドラマこそ初出演ですが、映画『キングダム』シリーズや『ゴールデンカムイ』シリーズなど、近年の日本映画を代表する超大作で座長を務め上げてきた実績があります。今回の『ジョン万』は、命がけのサバイバルやスケールの大きなロマンを描く“冒険記”になるようで、アクションや身体性が求められる作品です。そうした大作を背負う主人公として、山﨑さんの起用は非常に理にかなっています。また、脚本の藤本さんは『カムカムエヴリバディ』で、英語や異文化との交流を見事に描きました。異国で英語を学び、文化を吸収していく万次郎の物語を描く上で、その手腕が存分に発揮されるはずです」
ジョン万次郎といえば、幕末の動乱期に特異な足跡を残した人物として知られるが、麦倉氏は「従来の大河ドラマとは一線を画す作品になるのでは」と指摘する。
「ジョン万次郎の人生において最もドラマチックで面白いのは、漂流からアメリカでの生活、そして日本へ帰還するまでの『日本にいない期間』です。そのため、本作は従来の時代劇というよりは、スペクタクルな冒険譚としての色合いが強くなるでしょう。幕末が舞台ということで、坂本龍馬などおなじみの偉人たちも登場するはずですが、万次郎の目を通すことで『海外から見た幕末・明治維新』という全く新しい切り口の物語になることが期待できます」
さらに麦倉氏は、近年のNHKドラマ全体の潮流にも触れ、本作が持つ「もうひとつの意義」について次のように考察する。
「NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(2025年度後期)『風、薫る』(2026年度前期)『ブラッサム』(2026年度後期)、そして大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)や『逆賊の幕臣』(2027年)など、近年のNHKドラマでは、これまで司馬遼太郎的な視点(いわゆる司馬史観)で定着してきた幕末・明治史を、今一度新しい角度から捉え直そうとする試みが続いているように感じます。そうした大きな潮流の中で、『ジョン万』が提示する『海外から見た日本』というアプローチは、これまでの歴史観をさらにアップデートする重要なピースになるのではないでしょうか」
舞台が海外中心になることで、大河ドラマとしての「見せ方」や「座組」にも大きな変化が生まれそうだ。
「物語の性質上、おそらく序盤から中盤にかけては外国人キャストが多数を占めることになり、これまでの大河ドラマにはない異色の座組になるでしょう。それこそ、朝ドラ『ばけばけ』ヘブン/八雲役の好演が記憶に新しいトミー・バストウさんもキャストとしてピッタリなのでは。さらに、2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』に続いて幕末・明治期が描かれることになり、その連続性も興味深いポイントです。日本帰国後に万次郎と深く関わることになる勝海舟や坂本龍馬といったキーパーソンを、いったい誰が演じるのか。今後のキャスティング発表が今から楽しみです。さらには、『逆賊の幕臣』にもジョン万次郎は登場してもおかしくないはず。近年では、『鎌倉殿の13人』(2022年)の最終回に翌年の『どうする家康』(2023年)主演の松本潤さんが家康役として登場しました。そういったサプライズでの出演ではなく、『ジョン万』と『逆賊の幕臣』に共通する登場人物も多いだけに、2年連続で同役で出演するキャストが複数登場する可能性もあるのではないでしょうか。いずれにせよ、これまでとはまったく違う大河ドラマになる気がします」
『ジョン万』は、2027年初夏にクランクイン予定。山﨑賢人が魅せる新たな幕末の冒険譚と、これまでにないスケールで描かれる大河ドラマを楽しみに待ちたい。
■放送情報
大河ドラマ『ジョン万』
NHK総合にて、2028年放送
主演:山﨑賢人
脚本:藤本有紀
制作統括:家冨未央
プロデューサー:二見大輔
演出:保坂慶太、泉並敬眞、石川慶