ヤンキー×医療ドラマはなぜ成立? 『ヤンドク!』髙木由佳&貸川聡子Pに聞く制作秘話

「橋本環奈さんは本当に湖音波そのまま」

ーー各話ゲストとして登場する医師たちが、湖音波と“タイマン”を張るようにぶつかり合う構造も印象的でした。
貸川:脳神経外科の先生に取材したときに、他の科と一緒になってオペをするという話を聞いて。そのときに、いろんな考え方の対立が起きるんじゃないかなというのがアイデアでした。なおかつ、大きな病院だと他の科同士で、ちょっとセクショナリズムというか、「首から上は脳外科」「首から下は循環器」みたいに、それはこっちだろう、あっちだろう、という話になったりすることもあるらしくて。そういうセクショナリズムの壁があると、なかなか交流がしづらい部分もあるそうなんです。そうした壁を壊していくことも、湖音波らしさなんじゃないかという話になりました。そういう意味で、心臓外科や整形外科、産婦人科など、いろいろな科を登場させようというのは、最初から考えていました。

ーー向井理さん演じる中田先生は、湖音波にとって恩人であり、憧れであり、物語全体の軸にもなる存在です。向井さんを起用した理由を教えてください。
髙木:中田は、主人公が「医師になろう」と志すきっかけをくれた原点の人物なので、その存在に説得力を持たせることができる人である必要がありました。そして13年前は熱を持って仕事をしていたのに、医療の現実や限界に絡め取られてしまっているという“温度差”を体現できる人を探していたんです。私自身、『パリピ孔明』で向井さんとドラマから映画までご一緒させていただいた中で、やりきれない思いを抱えつつも飄々と物事をこなしている、というイメージがぴったりでした。言葉にはしないけれど、後輩を思っている感じとか。「向井さんともう一回やりたいな」という気持ちもすごくあったので、まさかこんな近い形でまたご一緒できるなんて、私としてはすごく嬉しかったですね。中田の視力が低下してしまうという展開は最初から決めていて、ご本人にも最初の段階から共有していました。そこまで振り幅のある役をやりきれるのは、向井さんだったらきっとできるんじゃないかなと思っていて。最初の冷たい印象のところから、そこまでの振れ幅も含めて全部やってくださるんじゃないかなというのは、2年半から3年くらい向井さんと接している中で感じていたことでもあります。最終話で、中田がみんなとわいわいするシーンが一瞬だけあるんですけど、そこが本当に楽しそうなんです。中田はやっぱり、本当はみんなとわちゃわちゃしたかったんだなと。中田に注目して観ていただくと、最終回の第11話もよりぐっとくるんじゃないかなと思っています。

ーー『ヤンドク!』の撮影を通して、橋本さん、向井さんと“マブダチ”のような関係になったとお聞きしました。お二人から見て、俳優としての魅力はどう感じていますか?
貸川:環奈さんは、ある意味で当て書きしている部分もあったので、その気合が入っているところも含めて、覚悟があったり、本当に湖音波そのままだなと思います。髙木さんともよく話していたのですが、向井さんと環奈さんって、ある意味で似ているところがあるんです。すごくいい師弟関係があるなという印象。いわゆる体育会系の上下関係というよりも、環奈さんが向井さんのことを良い意味でいじれるというか(笑)。それができるのも信頼関係があるからだと思います。ドラマの公式SNSにもそういう雰囲気は出ていると思いますが、信頼関係があるからこそのいじり合いというか、2人で冗談を言い合ったりとか。そうやって2人がいい関係性を作っていたから、現場全体もあたたかい雰囲気になったのかなと思います。
髙木:2人ともすごく頭の回転が速いというか、お芝居の感性が合っているのだろうなという印象です。お互いに認め合っている部分がすごくあって、尊敬している感じが伝わってくるんですよね。しかもそれを2人ともちゃんと相手に伝えるんです。そういうところも、すごくいい関係性だったんじゃないかなと思っています。あと、みんなでテーブルを囲んで差し入れを食べたりとか、クリスマスにプレゼント交換し合うとか、そういうことって現場であまり見たことがなくて。それも2人が作った雰囲気があったから、自然とそういう空気になったのかなと思います。

ーー最後に、お二人がプロデューサーとして大事にしている“マインド”があれば教えてください。
髙木:よく私たちも数人で集まると昔観たドラマの話をすると思うんですけど、それって制作した人たちからしたら嬉しいなぁと。自分が作ったドラマが、人生を変えるほどの影響を与えるとかじゃなくて、飲み会の話題になるくらいの記憶の片隅に残れたらなーとは思っています。あとは、役者やスタッフにとって代表作になるようなものを作りたいなと思って毎回気合入れて向き合ってます(笑)。
貸川:自分が誰よりも楽しむということですね。企画も、脚本作りも、現場も、編集も。番組作りでは本当にいろいろなことが起きるのですが、そのすべてに真摯に向き合うためにも、自分のモチベーションを高く保つように「楽しむ」というマインドを忘れずにいようと思っています。
■放送情報
『ヤンドク!』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:橋本環奈、向井理、宮世琉弥、音尾琢真、馬場徹、薄幸(納言)、許豊凡(INI)、内田理央、大谷亮平、大塚寧々、吉田鋼太郎ほか
脚本:根本ノンジ
プロデュース:髙木由佳、貸川聡子(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、淵上正人、菊川誠、朝比奈陽子
音楽:近谷直之
制作協力:共同テレビ
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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