『DREAM STAGE』中村倫也が仕掛けた大胆な“炎上”戦略 NAZEの“弱さ”を最大の武器に

『DREAM STAGE』中村倫也の“炎上”戦略

 吾妻の思惑通り、金に困ったドヒョクはネタを週刊誌に売り、スキャンダルとしてNAZEのデビュー曲は注目される。炎上すらも宣伝に変える戦略は抜け目ない。そして、ドヒョクのリークも結果として何の問題もないため、戻ってきやすい流れまでも用意していたのだった。

 極めつけは、飛び出したドヒョクを迎えに行ったメンバーが、音楽番組の生放送に間に合わないと考えて、屋形船をチャーターしたこと。そのまま急遽、中継でパフォーマンスを披露する。スタジオで作り上げられたTORINNERとはまったく異なるステージングに、差別化も図ることができる、追い込まれた状況を逆手に取る発想の転換でもあった。

 それにしても、満を持して登場した吾妻はシチュエーションこそ窮地を救うヒーローなのだが、その足元が屋形船というのが少々笑いを誘う。スター然と圧倒するのではなく、肩肘張らず、ツッコミどころを抱えたまま進む。その姿こそが、彼らの武器だ。それこそ、「ノスタルジック」で「親しみやすい」といえる魅力だ。

 もしかしたら、かつての吾妻もTORINNERをゴリ押しで売り出そうとするパク・ジス(キム・ジェギョン)のように、他を圧倒するタイプのプロデューサーだったのかもしれない。しかし、少しずつジスが疲弊しているように、その孤軍奮闘スタイルはいつか限界を迎える。吾妻がどのような経緯を辿ったのかはまだ明かされていない。だが、過激になっていくチェ代表(イ・イギョン)の発言と、陰りが見えてきたジスの表情に、吾妻の過去も透けて見えてくるように思えた。

 吾妻自身がまとうどこか隙のある雰囲気が、NAZEのピンチを受け止める余白になる。懐かしくて、温かい。そんなホームとなるようなデビュー曲を彼らに贈ることで、彼らへの愛情を伝えようとしていたのではないか。どこまでも包み込み、一緒にやっていくのだという覚悟とともに。もちろん、トラブルはないに越したことはない。でも、見知らぬ多くの人の目にふれる仕事である以上、それは避けられないということを、吾妻は知っていたのだろう。

 デビューシングルが1位にならなかったグループが生き残っていくのは、奇跡にも近い確率。残念ながらNAZEは惜しくも、TORINNERにランキング首位を譲ってしまった。正直、気持ちは沈む。悔しさもにじむ。だが、それこそがNAZEらしいスタートラインだとも言えるのではないか。いつだって、失敗ばかりで、ツッコミどころだらけ。だからこそ、応援しがいのある愛されるグループになっていくはず。そんなNAZEと吾妻らしい本当の意味での“はじまり“が、どのように描かれるのか。

『DREAM STAGE』の画像

金曜ドラマ『DREAM STAGE』

業界を追放された日本人プロデューサーと韓国の落ちこぼれ練習生7人が、K-POPの世界でトップを目指す熱い絆の物語。

■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス
【NAZE】カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク
【TORINNER】岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)
森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
第5話ゲスト:礼真琴
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
企画プロデュース:高橋正尚
プロデュース:八木亜未(大映テレビ)
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs
公式X(旧Twitter):@DREAMSTAGE_tbs
公式Instagram:DREAMSTAGE_tbs
公式TikTok:@DREAMSTAGE_tbs
公式LINE:https://page.line.me/dreamstage_tbs

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる