『進撃の巨人』リヴァイとジークの決着シーンの“謎”を解く 復活上映で注目したい名場面

TVアニメ『進撃の巨人』の内容を再構成し、その壮大な物語に終止符を打った『劇場版「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK』(以下、完結編)。現在ドルビーシネマ版や4DX・MX4D版を含む復活上映が全国劇場で実施されており、ファンの熱量が高まっている。
※本稿は『劇場版「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK』のネタバレを含みます。
同作はエレンが引き起こした「地鳴らし」の行方を描くストーリーとなっているが、その一方でリヴァイとジークによる長きにわたる因縁が決着を迎えることも大きな見どころだ。2人の運命は一体どんな道をたどって交差したのか、あらためて振り返りたい。
『完結編』で描かれているのは、“天と地の戦い”と呼ばれる最終決戦の模様だ。“始祖の巨人”の力に目覚めたエレンは「地鳴らし」を発動し、無数の巨人たちが世界を蹂躙。その凶行を止めるため、ミカサやアルミンたちは「終尾の巨人」となったエレンのもとに向かい、激闘を繰り広げていく。
その戦いの最中、ジークは突如として「終尾の巨人」の背骨から姿を現すと、リヴァイに向けて自分の居場所を知らせるように大声で呼びかける。そして今は亡きエルヴィンに「獣の巨人は俺が仕留める」という誓いを立てていたリヴァイは、ついに悲願を果たすことに成功するのだった。

一見すると宿敵同士が決着をつける劇的なシーンにも見えるものの、事態はそれほど単純ではない。ここでは「ジークはなぜ突如地鳴らしを止める気になったのか」、「念願が叶ったはずのリヴァイが複雑な表情を浮かべていたのはなぜか」という2つの謎に注目したい。
そもそもジークは極端なニヒリストで、エルディア人を将来的に絶滅させる「安楽死計画」を企てていた人物。そのために始祖の力を利用しようとしていたが、始祖ユミルがエレンの側についたことですべてを諦めるに至った。ジークにとって生命は種の存続、すなわち「増える」という目的のために苦しむものにすぎず、人々が蹂躙されつつある外の世界にも興味を示していなかった。
しかし「道」の世界でアルミンと対話したことで、クサヴァーと一緒にキャッチボールを楽しんでいた頃の記憶を思い出し、“何の意味もない日常”の大切さを悟る。そしてアルミンに協力して「地鳴らし」を止めることを決意した……というのが、大まかな経緯だ。
これはたんにジークの人生観が変わり、自分の人生に価値を見出せるようになったという話ではないだろう。むしろ今まで犠牲にしてきた人々も含めて、誰もが価値のある人生を生きていたことを悟ったのではないだろうか。だからこそ“生きることには苦しみしかない”という考えから解放され、命が大切にされる世界を作ることに協力することを選んだものと思われる。
つまり「地鳴らし」を止めるという決断は、ジークがニヒリズムを捨てて人間の生を肯定できるようになったことを意味する重要な描写なのだ。





















