『パン恋』片岡凜から目が離せない! 『虎に翼』『海に眠る』と“クセつよ”のギャップ

ドラマ『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系/以下、『パン恋』)の第1話では、早速、生活情報誌『リクラ』の編集者・一葉(上白石萌歌)を振り回す個性豊かなキャラクターたちが躍動していた。
人間にはまったく興味がなく、動物の求愛行動ばかりを研究している准教授の椎堂(生田斗真)の影に隠れているが、一葉がゴーストライターとして恋愛コラムを代わりに書くことになったカリスマモデルのアリア(シシド・カフカ)や、『リクラ』の新編集長となった藤崎(小雪)もなかなかにクセの強いキャラクターと言えるだろう。

一葉の悩みのタネとなる変わり者が次々と姿を現すなか、椎堂の研究室の助手である村上野乃花(片岡凜)も気になる存在だ。変な柄のシャツを身にまとい、一葉の来訪や椎堂の不可思議な言動も気に留めない。何ならちゃっかりと手土産のフィナンシェをひとりで食べる周到な一面も垣間見せる。
イマドキの言葉やポーズを使いこなしたり、頭突きで研究室の扉をノックしたり、掴みどころのない野乃花のキャラクターを自然な身体表現で演じているのが片岡凜だ。
同クールに放送されているドラマ『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』(テレ東系)でも、赤楚衛二が演じる長谷大河が働く小料理店の常連客で、彼の良き相談相手となる染島乃愛を演じる片岡。女優としてデビューする前からTikTokやInstagramで多くのフォロワーを抱えていた彼女は、令和の時代を軽やかに泳ぐように独自のスタイルを確立している。たびたび話題になっている個性的なSNS投稿は、彼女のキャラクターを広めるきっかけにもなっている。
そんな片岡がテレビドラマ初出演を果たしたのが、『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(2023年/TBS系)の第7話。彼女が演じた16歳の少女・川瀬ひなは両親を亡くしたことで居場所を失い、繁華街でたむろして非行に走るようになっていた。ともに行動していた美冬(小林星蘭)が、父親の暴力から逃げ出す渦中で転落事故に遭った際は、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)に悲痛な声で助けを求める。彼女の叫びには心の奥底に溜めこんでいた鬱憤をすべて吐き出すような重さがあり、特に病院を訪れた美冬の父親に語気を強めて詰め寄る姿は、デビュー作品とは思えないほど堂々たる芝居だった。
そして、片岡の芝居が大きなインパクトを残したのが、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024年度前期)に出演した際に演じた東京大学の法学部を目指す森口美佐江だ。普段のおしとやかな振る舞いとミステリアスな冷たさを秘めた表情のギャップに、視聴者の心は何度ざわつかされたことか。連続ひったくり事件に関わっていると知った寅子(伊藤沙莉)が美佐江を問い詰めると、彼女は赤い腕飾りを引きちぎり、いたって冷静な表情で微笑む。本作では、美佐江の娘である並木美雪の2役を演じるなど、少ない出番ながら印象に強く残る芝居をいくつも披露してくれた。
その後もドラマ『嘘解きレトリック』(2024年/フジテレビ系)では、人形のような佇まいで可憐に登場したのち、不穏な空気を漂わせる人形屋敷のひとり娘・品子を驚愕の1人3役で演じ分けるなど、奇をてらった設定にも何なく対応する演技力を見せつけた。





















