『勇者刑に処す』阿座上洋平×SPYAIR対談 主人公ザイロの解釈からレコーディング秘話まで

TVアニメ『勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録』(以下、『勇者刑に処す』)の放送開始を前に、主人公ザイロ・フォルバーツを演じる阿座上洋平と、主題歌「Kill the Noise」を担当したSPYAIRのYOSUKE(Vo)、同曲の歌詞を手掛けたMOMIKEN(Ba)の対談を行った。
罪と赦し。尊厳の喪失。そして、暴力衝動。そのすべてを抱えたザイロという主人公に、「声」と「音楽」はどう向き合ったのか。キャラクターへの解釈からレコーディング秘話、アフレコでの想像力、さらにアニメとロックバンドが世界へ届くまでの実感を語ってもらった。初対面だった3人が、1日合同取材を経て、少しだけ打ち解けた後に出てきた本音とその空気を感じ取ってほしい。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「いるだけで場が盛り上がります」互いの第一印象を語り合う

――まずお互いの印象から伺えますか。
阿座上洋平(以下、阿座上):僕は普段、こういうふうにアーティストの方と対談したり、写真を一緒に撮らせていただく機会がないので、「失礼がないかな」とか、いろいろ考えてしまって。でも実際お会いしてみたら、僕みたいな異物を温かく迎え入れてくださって。とても話しやすい空気を作っていただけてありがたかったです。
――先ほどの撮影も楽しそうでしたね。
MOMIKEN:声優さんってやっぱり観ているアニメのイメージが先行しちゃうと思うんですね。僕は別作品でも(楽曲タイアップを通して)阿座上さんとご一緒していて、そのときの役もザイロみたいに眉間にしわが寄るイケメン役だったので、「ちょっと気難しい方なのかな」と勝手に思っていて(笑)。でも今日初めてお会いしたらとても気さくな方で。こちらが乗っからせていただいてます。

――YOSUKEさん、いかがですか? 撮影中に「話している感じで」というカメラマンのリクエストに、ナイスパスを出されてましたよね。
阿座上:昨日の晩ご飯の話題をYOSUKEさんがふってくださって(笑)。
YOSUKE:………?
MOMIKEN:もう忘れたの?(一同笑)
YOSUKE:阿座上さんの印象は……紳士です。いるだけで場が盛り上がります。

――阿座上さんは、今日SPYAIRの2人にお会いする前にはどんな印象を持たれてました?
阿座上:やっぱりアニメのタイアップ作品をたくさんリリースしているアーティストさんだなと。作品に対する解像度が高いというか。楽曲で作品の世界観に寄り添っているなと、そう思いながら楽曲を聴かせていただいてましたね。僕ら声優は、原作や脚本からキャラクターを解釈して、作品に寄り添っていくんですけど、音楽から解釈を得て寄り添っていくのは、どういう気持ちなのかなというか、どこから発想が生まれるんだろうと思っていて。すごくリスペクトもありましたし、興味もあったんです。だから同じ作品に関われるのは本当に光栄で、作品への共感とかが重なるとすごく嬉しいですね。
MOMIKEN:アニメのタイアップもいろいろやらせていただいてますけど、声優さんとの対談はほとんどなくて。だから、作品が始まる前にお会いして、決起集会じゃないけど、一緒に盛り上げていこうっていうテンションが共有できて、すごくいいことだなと思いました。僕らは曲を提供した後は、ライブで披露するとか、そういうのがメインになってきますけど、こうして演じられている方の話を聞くと、曲を演奏する時も、例えば『勇者刑に処す』の主題歌をやってますって紹介する時も、熱量も変わってくると思うんですね。
YOSUKE:アニメの放送が始まる前に主人公ザイロを演じている阿座上さんが、どうやって気持ちを声に乗せているのかっていうことを直接聞けたのが、本当にありがたいですよね。これがあるのとないのとでは、作品への入り方が全然違うだろうなって思うし。本当に良かったなと思います。
まさに怪我の功名? 「Kill the Noise」制作秘話
――「Kill the Noise」を歌う際に意識したことは? この曲でのYOSUKEさんのローボイス気味のシャウトがすごく印象に残ったんですよね。
YOSUKE:実は、この曲のレコーディング時に肋(あばら)にひびが入っていて。シャウトのテイクは1時間ぐらいやったのかな。
阿座上:えぇええ?(驚愕)。
MOMIKEN:止めても歌ってたんですよね。「もう録れてるよ、いいんじゃないの?」って言っても「いやまだちょっと……下のシャウト入れたいですね」って。「YOSUKEがやめるまでやるか」ってなりましたから(笑)。
YOSUKE:コルセット巻いて歌ってたんですけど、最終的にはそれを外してレコーディングすることにして、外した瞬間にすがすがしい気分になりました(笑)。

――コルセット外すと、激痛になると思うんですけど。
YOSUKE:そう。痛い。痛いんですけど……今回の作品は、バトルも多くてダークファンタジー。これまでSPYAIRが関わらせていただいたアニメとは、テーマも作品性も違うと思ったんです。じゃあ、主人公の痛みが伝わるまでやった方がいいんじゃないかなって思った。明るい気持ちじゃなくて、こう「マジでいってぇ……」って思いながら歌うほうがいいかな、と。今思えば、肋を折ったタイミングで「Kill the Noise」をレコーディングして、その曲が『勇者刑に処す』の主題歌で良かった。これが違う作品の曲だったら、ただ俺が肋を折って痛かっただけになる(笑)。
MOMIKEN:肋の話、全カットね(一同笑)。
YOSUKE:ダメ?(笑)
――いい話じゃないですか。まさにリアル怪我の功名ですけど、あの低音のシャウトが、本当に作品に合ってると思いますし。
YOSUKE:結果オーライですよね(笑)。いつも通り伸び伸び歌えない自分にもむかついて、下のほうのシャウトやりたいって気持ちになったし、だから声もより太くなったのかなと思います。




















