橋本環奈、月9で“当たり役”更新なるか? 『おむすび』根本ノンジ脚本が引き出す新境地

 1月12日に放送開始となる今期のフジテレビ系“月9“ドラマは『ヤンドク!』。ある病院の脳神経外科に勤める実在の女性医師をモデルにした医療ドラマだ。親友の死をきっかけに猛勉強して脳神経外科医となり、旧態依然とした医療現場に新しい風を吹き込んでいく元ヤンキー娘・田上湖音波を、橋本環奈が演じる。

 特筆すべきは、脚本を根本ノンジが手がけていること。NHK連続テレビ小説『おむすび』に続き、橋本と根本が再びタッグを組むという報せに心弾んだ朝ドラファンは筆者だけではあるまい。2024年度後期に放送された『おむすび』は、橋本演じる平成元年に神戸で誕生した米田結が主人公。阪神・淡路大震災を機に、家族と福岡の糸島に移り住んだ結が、ギャルマインドを持った栄養士へと成長していく姿を描いた。

 『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)や『正直不動産』(NHK総合)をはじめ、これまで数多く人気漫画や小説の脚色を手がけてきた根本。いずれも原作ファンから高い評価を得ているが、その理由の一つにたとえコメディ作品であっても、安易なおふざけに走らないところが挙げられるだろう。キャラクター同士のかけ合いはユーモラスでありながら、『ハコヅメ』であれば、警察の日常、『正直不動産』であれば、不動産売買の裏側をリアリティーをもって活写し、お仕事ドラマとして成立させる。

『おむすび』は朝ドラ史に何を残したのか 愚直過ぎるほどに描き続けた“人に優しく”の精神

2025年1月17日。阪神・淡路大震災から30年のその日、結(橋本環奈)が向かったのは、復興した神戸の街が眼下に広がる丘の上の公…

 加えて『監察医 朝顔』(フジテレビ系)と『おむすび』では、“震災”というテーマにも真摯に向き合った。根本は徹底したリサーチと取材を行い、そこから得た知識を単に羅列するのではなく、ストーリーラインから外れないかたちで組み込むことに長けている。

 例えば『おむすび』では、「ボランティアの女性が避難所におむすびを差し入れするも、被害に遭った街を歩くうちに冷たくなってしまった」という実話も含んだエピソードを、結が栄養士を目指そうと思ったきっかけに繋げていた。結が病院の管理栄養士となった終盤は、チーム医療の大切さやコロナ禍における過酷な医療現場の実態も劇中に盛り込まれていたのが印象深い。

『おむすび』で“ギャル度”上昇中? 橋本環奈のコメディエンヌとしての実力

9月30日の放送開始から早くも1カ月を迎えようとしているNHK連続テレビ小説『おむすび』。第1週から第3週までは、ギャル嫌いな主…

 結の“ギャル”という設定の生かし方も絶妙だ。特に社会人編は顕著で、結はギャルメイクで仕事に臨んでいるわけではないので、一見するとギャルであることは分からない。だが、困難な状況でも前向きさと明るさを失わない姿勢、老若男女問わず、するりと相手の懐に入り込んでいくコミュニケーション能力などで、彼女が青春時代に培ったギャルマインドをしっかりと見せていった。

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