『次元を超える』はDolby Atmos®上映でさらなる真価を発揮 音と映像が織りなす映画体験

『次元を超える』Dolby Atmos®上映を激推し

 THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、dip、TWIN TAIL……。“音楽”と映画監督・豊田利晃の作品は、切っても切り離せない関係だ。まるで登場人物の1人であるかのように、音楽が作品の大部分を担うのが豊田利晃作品の大きな魅力。そんな豊田監督による7年ぶりの長編フィクション作品『次元を超える』は、彼の代名詞とも言える“音楽”がとてつもない“映画鑑賞体験”をもたらす、“劇場体感型”の映画だ。

 窪塚洋介と松田龍平が『破壊の日』(2020年)以来5年ぶりの共演でW主演を務める本作は、近年の豊田監督のライフワークとも言える「狼蘇山」シリーズの集大成的作品でもある。窪塚と松田を筆頭に、『ナイン・ソウルズ』(2003年)以来22年ぶりの豊田作品出演となる千原ジュニア、『アンチェイン』(2001年)以外の豊田監督全作品に出演している渋川清彦ら、豊田監督作品お馴染みの面々が集結している。

 窪塚が演じるのは、危険な宗教家・阿闍梨(千原ジュニア)の家で行方不明になった孤高の修行者・山中狼介。松田は、豊田監督の『I'M FLASH!』(2012年)、『破壊の日』と同じ名前となる謎の暗殺者・新野風を演じている。そんな2人が文字通り“次元を超えて”いく本作。唯一無二の映画体験とともに、われわれ観客もそんな独特の世界へと誘われていく。

 本作は一部劇場にてDolby Atmos®︎でも上映が行われているが、立体的な音が全身を包み込むDolbyAtmos®は、本作を鑑賞するのにうってつけ。冒頭、洞窟の中で窪塚演じる狼介が瞑想するシーンの不穏な音楽から、山道を歩く足音、鳥のさえずり、杖をつく音、川のせせらぎ、そしてこだまする法螺貝の音まで、セリフがない中で一気に映画の世界へと連れていってくれる。

 本作の音響演出を担当しているのは、『空中庭園』(2005年)以降の多くの豊田監督作品の音響を手がけている北田雅也。本作の音響について北田は、「大音量が持続するシーンが多いため、観客が最も心地よく感じる音質と音量のバランスを探ることにこだわりました。映像の動きやテンポに合わせて常に音量を微調整し、耳に負担をかけずに音を楽しめるよう心掛けています。音の勢いを保ちながらも、快い聴感を維持することを意識しました」とそのこだわりを明かす。

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