松本怜生は“目の芝居”で心を射抜く 『新東京水上警察』で広がる新世代俳優として可能性

怪しさの中に、訴えるような表情も見え隠れしている。松本怜生演じる三上は、さらなる展開を迎えた『新東京水上警察』(フジテレビ系)の第2話で重要な役割を果たすことになった。
新たに発足した“新東京水上警察署”の強行犯係長・碇(佐藤隆太)が率いるチームは、東京湾唯一の人工無人島である第六台場で起きた銃殺事件と、介護施設で起きた毒殺事件の真相を探っていた。そんな中、介護施設で働いていた三上が謎の失踪を遂げ、船で逃げようとしていたところを碇に見つかる。そしてその船を操船していた強盗グループの主犯格・田淵(山崎裕太)によって、海に突き落とされるという衝撃展開で第1話は幕を閉じた。

先週放送された第2話では、一命を取り留めた三上が日下部(加藤シゲアキ)だけに心を開いていった。何気ない会話をしていた中で、日下部に「君がお年寄りを殴るような人には見えない、お年寄りを殺すような人にもね」と言われた瞬間、三上の顔色はすっと変わり、目には涙が溢れ出した。そして日下部だけに、これから起こるであろう最悪な事態を告げようとしたのだ。奥底に優しい心を持つ彼には、追い詰められたお年寄りを目の当たりにした苦しさと、どうしたらいいかわからない不安があったのだろう。日下部と対峙した三上からは、ほっと力が抜けた安堵感や罪悪感が一度に感じられた。画面に映る時間はそれほど長いわけではないのに、目にいっぱいの涙をためる彼の表情は、ドラマを観終わってからも頭から離れなかった。
そんなキーパーソンを演じた松本は、2022年に『パパとムスメの7日間』(TBS系)で初の連続ドラマレギュラー出演を果たしたばかりの俳優だ。NHK連続テレビ小説『おむすび』で、ヒロイン・結(橋本環奈)の書道部の先輩役を演じた姿が記憶に残っている人も多いだろう。





















