少女時代 ユナ×イ・チェミンの急展開に釘づけ 『暴君のシェフ』が描く食とロマンスの普遍性

今も昔も変わらぬ「食」を通じた絆
「未来から来た」と言い、奇妙な言葉を使うジヨンを受け入れたギルグムと、心を許すことはできないがジヨンに興味を持つホン。2人に共通するのは、ジヨンが作る料理で心がほぐれたことだ。今も昔も「食」を通じて絆は作られるのかもしれない。このあともジヨンの類まれな料理の腕で、彼女は数多くの危機を乗り越え生き延びる。
感心するのは、三ツ星レストランのヘッドシェフであるジヨンが、朝鮮時代に来て食材の少なさや調理器具の乏しさに愚痴を言わない点だ。ギルグムがそろえた食材を見て「これぞオーガニックね!」とにっこりするところは、真の料理人といえるだろう。

朝鮮時代でも限られた食材と調理器具で見事な料理を披露するジヨンを見ていると、料理の真髄は遠い昔から何も変わっていないのだとわかる。そのことは、幼い頃に母親を亡くしたホンが、ジヨンの料理をきっかけに母親を思い出すシーンで表現されている。
また「孝」をテーマに大王大妃が命じた先人熟手との料理対決でも、ジヨンは大王大妃が懐かしんでいた味を見事に再現し、称賛される。先人たちが育んできた料理の知識の基本は変わらないこと、そして相手が食にどんな想いを寄せているか、その気持ちを汲み心を込めて調理する姿勢の大切さも変わらないことが改めて分かる。「何も変わらない」ことを知るのもタイムスリップものの醍醐味だといえるかもしれない。
ホンがジヨンにキス! 2人の今後はどうなる?
第4話では、酔ったホンがジヨンにキスするシーンで終わった。歴史を知っているジヨンがホンの末路を考えて切ない表情をするなど、2人が少しずつ距離を縮めているのがわかる。

そもそもジヨンがタイムスリップしたのは、古文書「望雲録」にすべての原因があるのだろう。そしてこの「望雲録」を書いたのがホンだったことが第4話で明かされた。まだ途中までしか書かれていない「望雲録」に、今後ホンがどんな内容を書き綴るのか。ジヨンと出会ったことで、現代に伝わっている「望雲録」の内容と違うものになり歴史も変わってしまうのか、非常に気になるところだ。
そしてホンの側室、カン・モクジュ(カン・ハンナ)がどんな策略を練ってくるかも見どころとなるだろう。ホンを惑わす絶世の美女という役柄にぴったりのカン・ハンナの活躍からも目が離せない。

元気で破天荒だが、料理人として固い信念を持つジヨンが、暴君と呼ばれ、まわりから疎まれるホンの心の傷を癒すことはできるのだろうか。2人の関係とこれから披露されるジヨンの料理が気になって仕方がない。
■配信情報
Netflixシリーズ『暴君のシェフ』
Netflixにて独占配信中
監督・演出:チャン・テユ
出演:イム・ユナ、イ・チェミン、カン・ハンナ、チェ・グィファ、ユン・ソア
(写真はtvN公式サイトより)





















