『バレリーナ』続編は日本で撮影の構想あり アナ・デ・アルマス&レン・ワイズマンが語る

アナ・デ・アルマス&レン・ワイズマンが語る

 キアヌ・リーブス主演の人気アクション映画『ジョン・ウィック』シリーズの新たな幕開けとなる『バレリーナ:The World of John Wick』では、シリーズ第3作『ジョン・ウィック:パラベラム』とクロスオーバーした時系列で、“復讐の女神”誕生の物語が描かれる。

 プロモーションのために来日した主人公イヴ役のアナ・デ・アルマスと監督のレン・ワイズマンにインタビュー。撮影の舞台裏や続編の構想を語ってくれた。

『バレリーナ』成功の要因は?

ーー監督も主人公も変わるということで、実は作品を観る前は“『ジョン・ウィック』らしさ”が失われているか心配だったのですが、しっかりと“『ジョン・ウィック』らしさ”を引き継ぎつつも、今までにない新しさがある素晴らしい映画でした。間違いなく「成功した」と言っていいと思うのですが、お二人はその要因をどう考えますか?

レン・ワイズマン(以下、ワイズマン):私自身も、シリーズものの新作が出るときはどうしても懐疑的になってしまいます。なので、まずはそのような感想をお伝えいただき、とても嬉しいです。私が『ジョン・ウィック』シリーズを大好きな理由は、作品のトーンが非常にユニークであること。それと同時に、ものすごくクレバーであること。今回の『バレリーナ』でもそこを意識したのが成功に繋がったと言えるかもしれません。そして何よりも、アナ(・デ・アルマス)がイヴというキャラクターをとても魅力的に演じてくれたこと。アクション映画における印象的なキャラクターはたくさん存在しますが、アナが演じたイヴはとても“リアル”に感じられるんです。アナがユーモアを交えつつ演じてくれたからこそ、イヴの思いや痛みに共感できるんだと思います。

アナ・デ・アルマス(以下、アルマス):私はいち観客として『ジョン・ウィック』シリーズの大ファンだったので、新しいキャラクターを作って広げていくことを早い段階で理解できました。ファンのみなさんに新しいキャラクターを好きになってもらうことはとても大変なことですが、それは私にとって非常に重要でした。『ジョン・ウィック』と同じスタッフと一緒に作ることができるというのも、私の自信に繋がりました。レンが監督として引っ張ってくれたおかげで、アクションも映画のトーンも『ジョン・ウィック』と同じくらいのレベルに達することができたと思います。私の仕事しては、感情的な部分でイヴをみなさんが共感できるキャラクターにすることでした。たとえ衣装や見た目が良くても、観客のみなさんに響かないキャラクターだと意味がありませんから。私にとってはそれが一番大事なことでした。『ジョン・ウィック』はフィクションの世界なので、年代も分からないし、現実の世界とは違います。それでもイヴを、リアルで人間味のある、地に足のついたキャラクターにしたいと心がけていました。

ーー『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で披露されたアクションが本当に素晴らしかったので、今回ここまでがっつりあなたのアクションを観ることができて嬉しかったです。

アルマス:ありがとうございます。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の撮影は、私にとって非常に楽しいものでした。数年前までは自分がアクションをやるなんて思ってもみなかったので。少しずつアクションに触れていく中で、アクションが得意であることを自覚していったんです。今回の『バレリーナ』は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』とはまったく違う経験でしたが、肉体面でも耐久面でも自分にアクションの才能があることを改めて実感しました。素晴らしい経験でした。

映画制作において重要な監督と俳優の関係性

ーー『バレリーナ』のように体を張ったアクションが満載の作品は特に、監督と主演俳優が関係性をしっかり築けていないと成り立たないと思います。そういう意味では、お二人がお互いに信頼し合える関係性を築けていたことも成功の要因のひとつだったのではないでしょうか。

ワイズマン:そういう言葉をいただけてとても嬉しいです。なぜかというと、映画制作において監督と俳優の関係性は非常に重要なことなので。どういうビジョンを持っていて、どういうゴールを目指しているのか。そして、監督と俳優がきちんと同じキャラクターを見ていなければいけない。今回は特に、『ジョン・ウィック』という誰しもが知っている世界の中で、新しいキャラクターを立ち上げる必要がありました。そもそもイヴは、ジョン・ウィックほどスキルがなく……。

アルマス:もちろんその通りです(笑)。

ワイズマン:そう(笑)。イヴが“暗殺者になり始めている”というところが重要で、彼女には初めて経験することがたくさん出てくるんです。いろんな危険が迫ってくる中で、イヴなりのアクションをどう作っていくか。そこをアナと一緒に大事していました。

アルマス:脚本はあくまで脚本なので、実際に撮影現場で演じなければリアルにはなりません。脚本だけを読んでいたら、私とレンがそれぞれ全く違うような映画を想起するかもしれませんよね。一緒に話して、アイデアを出し合い、すり合わせを行うことで、同じビジョンを持つことがものすごく大事だと思います。今回は最初からレンと一緒にビジョンを共有することができたので、うまくいったと思います。撮影も本当に楽しくて、素晴らしい経験でした。

続編は東京で撮影の構想も?

(左から)アナ・デ・アルマス、レン・ワイズマン

ーー『ジョン・ウィック』の世界はこれからも広がっていきますが、イヴの今後のストーリーにも期待したいところです。

アルマス:『バレリーナ』の続編ですか? ぜひやりましょう!

ワイズマン:私たちもそう思っているんですよ。

アルマス:東京で撮影とかどうですか?

ワイズマン:クール! ぜひ東京で撮影したいですね。実際にアイデアはあるんです。

アルマス:そうなんです。具体的には言えないんですけどね(笑)。でも、日本は食べ物が美味しいので、食事制限ができなくて困っちゃうかも(笑)。

ワイズマン:実は今回の滞在でも「ここは撮影に向いてるかも」と思う場所が結構あったんです。ぜひ実現できるといいですね。

■公開情報
『バレリーナ:The World of John Wick』
全国公開中
出演:アナ・デ・アルマス、ノーマン・リーダス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、キアヌ・リーブス
監督:レン・ワイズマン
製作:チャド・スタエルスキ
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
2025/アメリカ/原題:From the World of John Wick: Ballerina
®︎, TM & ©︎ 2025 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:ballerina-jwmovie.jp
公式X(旧Twitter):@ballerina_jw
公式Instagram:ballerina_jw

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