『DOPE』髙橋海人が放つ“信じ抜く”意志の力強さ 才木家の過去とジウの計画が明らかに

髙橋海人と中村倫也がW主演を務める近未来アクションドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)。異能力を覚醒させる新型ドラッグ「DOPE」をめぐる攻防も第8話へ突入した。
今回は綿貫(新木優子)の過去が描かれるとともに、才木(髙橋海人)の家族と「DOPE」の誕生にまつわる真実が明かされる重要回。さらには、行方をくらましていた陣内(中村倫也)が再び姿を現し、物語は核心へと大きく舵を切った。
綿貫は幼い頃から、自分の力の強さを知りながらも、その事実を必死に隠して生きてきた。周囲に溶け込むために選んだのは、“か弱い女子”を演じること。笑顔の裏で本当の自分を押し殺し、誰にも打ち明けられないまま過ごしてきたのだ。そんな彼女の心を変えたのは、刃物を持った男に襲われ、警察官に救われたあの日。極限の恐怖の中で差し伸べられた手が、「自分も誰かの役に立ちたい」という思いを芽生えさせた。その気持ちが、彼女をいまの場所へと導いていった。

けれど、SATに身を置いてからも綿貫の心は揺れ続けていた。どこにいても、自分の居場所を見失ってしまいそうになる。そんな彼女に差し伸べられたのが、陣内(中村倫也)の「居場所ってのは人から与えられるもんじゃない。自分で作るもんだよ」という言葉だった。不器用だけどまっすぐなその一言が、綿貫の胸の奥を静かにほぐし、初めて心から“ここにいていいんだ”と思わせてくれた。だからこそ、その光のような存在が消えてしまった今、彼女の心はまた大きく揺らぎはじめている。

陣内のロッカーやデスクは押収され、葛城(三浦誠己)から自宅待機を命じられる。だが、才木の胸のざわめきは収まらなかった。確かに陣内は戸倉(小池徹平)に銃を向けた。けれども、それはジウ(井浦新)に操られた結果だと、才木は信じて疑わない。仲間の制止を振り切り、「俺一人でも陣内さんを助けに行きます」と飛び出していくその背中には、若さゆえの危うさと同時に、“信じたい人を最後まで信じ抜く”という揺るがない思いがにじんでいた。無鉄砲にも見えるその姿勢は、これまでも仲間を危険に晒してきた一方で、確かに周囲の心を動かしてきた。今回もまた、才木が物語を前へと突き動かすキーマンとなっていた。

その頃、綿貫の祖母・絹代(銀粉蝶)が行方不明となる。必死で追跡した先で待っていたのは、異能力ハンターの寒江(松角洋平)と藤川(小倉史也)だった。藤川の“能力封印”によって力を奪われ、綿貫は絶体絶命の状況に追い込まれてしまう。そんな彼女のもとへ駆けつけたのは才木。間一髪で命を救い出したその姿に、危険な現場であっても仲間を信じて支える温かさがにじみ出ていて、綿貫にとっても才木にとっても互いの存在の大きさが強く浮かび上がる場面となった。やがてオフィスに戻った才木と綿貫を待っていたのは、陣内を救出するために動き出していた仲間たちの姿。だが、その中になぜか泉(久間田琳加)の姿があった。泉とジウが仕掛けていたのは、収監中の凶悪犯たちを脱獄させ、DOPEを服用させる計画。歪んだ意図が特捜課の眼前で現実味を帯びていく。

一方、才木は病に倒れた結衣(蒼戸虹子)がいる「バイオエイル遺伝子研究所」の田所(清水伸)を訪ねる。そこで明かされたのは、想像以上に重い過去だった。26年前、安定した異能力を使うために新薬開発に挑んでいた才木の父。その研究が一般人の治験へと広がった結果、被験者たちは次々と異能力に目覚め、やがて制御不能になってしまった。その薬こそが「DOPE」の起源だったのだ。田所は当時、才木の父と共に研究を進めていた一人であり、今ではジウとも繋がっていることも判明する。DOPEが才木の家族の過去とつながっていた事実は、彼の歩む道を大きく変えていくように思える。警察官としての使命感よりも先に、息子として向き合わざるを得ない現実が突きつけられたと言えるだろう。避けようとしても避けられないものを前に、才木がどんな答えを出すのか。ここからの彼の立ち位置は、より一層重みを増していくのだろう。
最後には長らく姿を消していた陣内が、ついに才木の前に立ちはだかる。陣内の表情には迷いと決意が入り混じっていて、彼が何を背負ってどこへ向かおうとしているのかは未だ明らかではない。ただひとつ確かなのは、この登場によって物語が一段階深みを増し、DOPEをめぐる真実がいよいよ核心へと迫り始めたということだ。
木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作を実写化した麻取アクション・エンターテインメント。謎に包まれた新型ドラッグ“DOPE”が蔓延している近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく。
■放送情報
金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、忍成修吾、入山法子、佐野和真、蒼戸虹子、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一
演出:鈴木浩介ほか
プロデュース:長谷川晴彦、佐藤敦司
音楽:内澤祟仁
主題歌:Uru「Never ends」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
編成 :杉田彩佳、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
公式X(旧Twitter):@dope_tbs
公式Instagram:@dope_tbs






















