『ジュラシック・ワールド』ギャレス・エドワーズ×デヴィッド・コープが語る“新章”への思い

1993年にスティーヴン・スピルバーグが手がけた『ジュラシック・パーク』から始まり、2015年には『ジュラシック・ワールド』として新たな展開を迎えた『ジュラシック』シリーズ。全6作で世界興行収入9400億円超を記録し、今なお多くのファンを魅了し続けている。
そんな伝説的シリーズの新章『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が、8月8日に公開。新たに監督を務めたのは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ザ・クリエイター/創造者』のギャレス・エドワーズ。脚本には『ジュラシック・パーク』を手がけたデヴィッド・コープが28年ぶりに復帰した。来日を果たした2人に、日本文化から受けた刺激や制作の裏側、そして『ジュラシック』シリーズがなぜ今も世界中で愛されるのかを語ってもらった。
「僕にとって日本は天国のような場所」

ーーギャレス・エドワーズ監督は2年ぶり8回目の来日、デヴィッド・コープさんは今回が初来日とのことですが、日本の印象や異文化から受ける刺激について教えてください。
デヴィッド・コープ(以下、コープ):自分にとって馴染みのない場所は、常に大きな刺激になります。以前はロサンゼルスのフィルムスクールに通い、その後15年ほど住んでいたのですが、新しい刺激を求めてニューヨークへ引っ越しました。というのも、毎日ストリートで起こる変化を肌で感じたかったからです。多様な人々が行き交うニューヨークでは、思いがけない出会いに満ちていて、そんな環境に身を置きたいと思ったんです。日本では、まだホテルでの滞在が中心であまり外出できていないのですが、これから日本庭園などにも足を運んでみたいと楽しみにしています。

ギャレス・エドワーズ(以下、エドワーズ):ご存知の通り、私は日本が大好きです。文化もテクノロジーもまったく違っていて、SFアニメ『AKIRA』を思い出します。東京では積極的に迷子になってみたいとすら思っています(笑)。電車を乗り間違えてみたり、ローカルな狭い路地に迷い込むような体験をしたい。僕にとって日本は天国のような場所なんです。ジョージ・ルーカスも「映画ですべての答えを語らず、観客が“わからない”部分があるのが良い」と語っていますが、私が黒澤明監督の作品を好きな理由もそこにあります。分からないことがあるからこそ、その“分からなさ”が作品の豊かさにつながるんです。
コープ:私が子どもの頃はケーブルテレビが普及していなくて、観られるテレビ局は1つだけ。その局では毎週土曜深夜に『ゴジラ』映画を放送していて、私は寝たふりをして親に隠れて下の階へ行き、アンテナを調整して東宝のロゴが映るのをワクワクしながら待っていました。そんな子ども時代の記憶があるので、今回来日の機会をいただけたことは、とても光栄で感慨深いことです。
ファンイベントで感じた日本のファンの“熱量”

ーー昨日、日本最速ファンイベントが行われましたが、日本のファンの反応や熱量で印象的だったことはありますか?
コープ:「とても礼儀正しい」というのが第一印象です。そして何より、作品に対する敬意を持って接してくれているのが伝わってきました。
エドワーズ:本当にそう思います。映画に対する深い愛情を持っている国は、日本とフランスくらいだと私は思っています。この2つの国は特に、映画に対する情熱と敬意が際立っていると感じます。

ーー長年続く『ジュラシック』シリーズの“新章”を託される形で監督のオファーを受けたとき、エドワーズ監督はどのようなお気持ちでしたか?
エドワーズ:「子どもの頃からの夢が叶った!」という感動と同時に、「やりたいけどやりたくない」という相反する気持ちがありました。僕にとって『ジュラシック』シリーズの監督を務めることは、まるで外科医が自分の子どもに手術をするような感覚なんです。一番大切な存在だからこそ他の人には任せたくないけれど、自分でやるにはあまりにもプレッシャーが大きすぎる……そんな思いでした。



















