『鬼滅の刃』人は“呼吸”でどこまで強くなれるのか 武道家ライターが“全集中の呼吸”を解説

ところでバトル漫画好きという人種は、いくつになっても漫画・アニメに出てくる必殺技や特殊訓練を真似したくなるものだ。この全集中の呼吸を、実際に極めることはできるのだろうか。
まず最初にイメージしたのは、クンダリーニ・ヨガの、その名もズバリ“火の呼吸”だ。クンダリーニ・ヨガはハード系のヨガで、特に火の呼吸は1分間に100回から200回という高速で腹式呼吸を行うというものだ。やってみるとわかるが、相当にキツい。実際に格闘家のヒクソン・グレイシーや船木誠勝らが取り入れていることでも有名だ。当然“強くなるため”に取り入れているのだから、全集中の呼吸との共通点も多い。正直昔は、この火の呼吸が全集中の呼吸のモチーフではないかと思っていた。

だが『鬼滅の刃』本編を観ると、キャラによって呼吸音の違いはあれど、みなゆっくりと長い呼吸をしていることがわかる。火の呼吸ではなさそうだ。ゆっくりした呼吸だが極めてハードな呼吸鍛錬法として、思い出したものがある。2010年代から俳優・美木良介が提唱していたロングブレスダイエットである。お腹を引っ込めたまま、強く長い呼吸を繰り返すこの呼吸法も、火の呼吸とは違う種類のキツさがある。上半身裸で「フーーーーーーーーー……!!」とやっていた美木良介と鬼殺隊はあまり結びつかないが、呼吸法自体には共通点も多い。
呼吸法鍛錬全般に言えることだが、インナーマッスルが鍛えられると内臓の動きが活発になるため、血流が良くなり、体温も上がる。結果、痣を出す条件となる戦闘中の心拍数200超え、体温39度超えにも繋がりやすくなる。もちろん我々一般人がそんな状態になったら困るが、呼吸法鍛錬自体は体にもいいしダイエットにもなる。強くなって柱を目指すのもいいだろう。柱までは一万歩あるかもしれないがな!
■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
全国公開中
キャスト:花江夏樹(竈門炭治郎役)、鬼頭明里(竈門禰󠄀豆子役)、下野紘(我妻善逸役)、松岡禎丞(嘴平伊之助役)、上田麗奈(栗花落カナヲ役)、岡本信彦(不死川玄弥役)、櫻井孝宏(冨岡義勇役)、小西克幸(宇髄天元役)、河西健吾(時透無一郎役)、早見沙織(胡蝶しのぶ役)、花澤香菜(甘露寺蜜璃役)、鈴村健一(伊黒小芭内役)、関智一(不死川実弥役)、杉田智和(悲鳴嶼行冥役)、石田彰(猗窩座役)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:矢中勝、樺澤侑里
美術監修:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
主題歌:Aimer「太陽が昇らない世界」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)・LiSA「残酷な夜に輝け」 (SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
総監督:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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