『グッドボーイ』を名作たらしめた3つの要素 “グッドベンジャーズ”との再会を願って
アクションだけじゃない! コメディが光るストーリー
冒頭でも述べたように、本作のアクションは思わず見入ってしまうほど勢いがある。ドンジュとハンナ(キム・ソヒョン)のラブストーリー、ドンジュとジョンヒョン(イ・サンイ)、ジェホン(テ・ウォンソク)のかけがえのない友情も良いスパイスとなった。それに加えて、何よりもコメディ要素は欠かせないものだった。
警察側と悪党側のキャラクターはそれぞれ個性的だったが、筆者がずっと注目していたのはホ・ソンテ演じるマンシクだ。クスッと笑える面白さをもたらしてくれた彼がいたからこそ、物語はより面白味を増したと言える。
元レスリング選手にもかかわらず、他のチームメンバーよりも競技生活を離れて長いからか、フィジカルの面では頼りない。時には誤ってラリってしまったり、時には怖すぎる状況に精神が崩壊して、ネジが外れてしまったりする。さらには娘と妻を思いすぎるが故に仕事が手につかないこともあるが、そんな姿も愛らしいのだ……。一方で、チーム長として他の警察官や上司に上手く取り入って、チームを守ってくれる頼れる一面もある。
また彼は、ドンジュがボクシング選手になる前から警察官として働いており、彼をボクシング選手の道へと導き、さらには同じ警察官の道へも導くことになった存在だ。座長として俳優とスタッフを和やかな雰囲気に包んだパク・ボゴムに加えて、ホ・ソンテおよびマンシクは縁の下の力持ちとして活躍してくれた。
最終的にやっとミンは逮捕されたが、刑務所で無惨にも殺害されてしまった。彼に次ぐ悪がまたインソン市に生まれた、ということだろうか。特捜チームのメンバーはそれぞれに輝きを取り戻したが、再び集まることになるのかもしれない。きっと、彼らがいれば世の中は安泰だ。
■配信情報
『グッドボーイ』
Prime Videoにて配信中
出演:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソク、オ・ジョンセ
演出:シム・ナヨン
(写真はJTBC公式サイトより)