『グッドボーイ』を名作たらしめた3つの要素 “グッドベンジャーズ”との再会を願って

『グッドボーイ』を名作たらしめた3つの要素

 ドラマ『グッドボーイ』と共にあった約2カ月間が終わりを迎えた。元アスリートたちで作られた警察の特別捜査チーム“グッドベンジャーズ”たちの爽快なアクションは、まとわりつくような今の暑さを吹き飛ばしてくれるものだった。

※以下、ドラマ『グッドボーイ』のネタバレを含みます

“グッドベンジャーズ”が魅せたチームワーク

 何よりもこの作品の魅力は、彼らのチームワークにあったと言えるだろう。役柄としてもそうだが、第一に俳優同士のチームワークが抜群だったように思う。筆者は、ドラマの宣伝で特捜チームのメンバーが出演したBIGBANGのD-LITEによるYouTube番組で、彼らの仲の良さを感じることができた。一人ひとり、自身の役柄が得意とする射撃やフェンシングの技術を披露したり、大盛り上がりでゲームをしたり……。主演のパク・ボゴムを中心に、おちゃらけたホ・ソンテや、兄のようなイ・サンイとテ・ウォンソク、そして彼らに守られるように控えめなキム・ソヒョンが集結したそのバランスから、きっとこの化学反応がドラマに良い効果を見出してくれるに違いないと自然に感じたのだ。また、ドラマ公式のビハインド映像からもわかるように、結果的に彼らはそのチームワークを役柄にも落とし込んで、悪を追い詰めることに成功した。

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 その悪とは、オ・ジョンセ演じるミン・ジュヨンを中心に動く、インソン市にはびこる社会の腐敗だ。その中でパク・ボゴム演じる元ボクシング選手のドンジュは、ボロボロになりながらも何度も立ち上がって、負けを認めることはなく最後までやりきった。他のキャラクターも、どんなに行き詰まろうと別の方法を模索して、点と点を繋ぎ合わせていった。ここまでできるのは、メダル獲得まで粘り強く頑張ってきた過去があるからだろう。様々な理由でアスリートを辞めざるを得なくなった彼らだが、その精神力は警察という職業によく活きていた。

手ごわい悪役たちの名演

 “グッドベンジャーズ”と対峙し続けてきた悪党たちのことも見過ごすことはできない。ミン・ジュヨンはもちろん、彼を取り巻く人々も非常に手ごわいが、彼らの結束は取引で繋がっているからこそ切れやすい。

 麻薬を作っているものの、女と子どもには売らないことを条件にミンと手を組んでいた麻鬼(イ・ホジョン)は、彼に裏切られたことでドンジュ側に情報を提供してくれるようになった。また、ロシアのマフィアであるレオ(コ・ジュン)もミンに騙されていたことを知って激昂。自分に目を掛けてくれていた警察官を殺してしまった自責の念に駆られることにもなる。彼らは単なる強欲な悪者ではなく、そうならざるを得なかった事情があるということが明らかになった。

 このドラマでの一番の悪は一貫してミン・ジュヨンだ。それなのに、ドンジュがいくら殴っても、証拠を掴んでも、なかなか彼を刑務所に送ることはできない。怖気づく様子を全く見せず、むしろ凄みが増していくように見せる俳優オ・ジョンセの演技も圧巻だ。じわじわと進んでいく2人の戦いは最後まで目を離せないものであった。

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