振り返ってみると、実力派俳優たちに囲まれた佐野晶哉自身の立場と経験豊富な先輩医師たちに囲まれた薬師寺の役柄がリンクしていたためか、薬師寺の激しい心の動きや成長過程に視聴者としても感情移入しやすく、次第に彼に信頼を置くようになっていた。また、軟弱な姿から努力しようともがく姿、他の医師とコミュニケーションを取ろうとする元気で明るい一面を見ていると「頑張れ！」と応援したくなってしまう、その独特の存在感が強く印象に残り、佐野がAぇ! groupの一員として舞台や音楽の場面で培ってきた表現力がしっかりと生きているようにも感じた。

　“最後の修羅場”では、薬師寺は救急科から外科に異動することになる。時を同じくして、杏野が外傷を負い、薬師寺が彼女の担当医となる。一方で、薬師寺自身にも新たな試練が訪れる。杏野と薬師寺はそれぞれの試練を乗り越えて、今までどおり医師として患者に向き合うことができるのか？　“寄せ集め”でありながら、力を発揮してきた救急科チームの絆にも注目したいところだ。

　お互いに助け合い、奮い立たせ合う2人。来週からこの凸凹コンビを観られなくなるのは寂しいが、2人はどんな将来の選択をするのか、期待が膨らむばかりだ。

■放送情報
『Dr.アシュラ』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00～22:54放送
出演：松本若菜、佐野晶哉（Aぇ! group）、田辺誠一、小雪、荒川良々、佐野史郎、鈴木浩介、片平なぎさ、渡部篤郎ほか
原作：『Dr.アシュラ』こしのりょう（日本文芸社）
脚本：市東さやか
主題歌：imase「名前のない日々」（ユニバーサル ミュージック/ Virgin Music）
音楽：池田善哉、横関公太
プロデュース：狩野雄太
制作プロデュース：岡田健人、石塚清和
演出：松山博昭、柳沢凌介、本田隆一、片山雄一
制作協力：ファインエンターテイメント
制作著作：フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/dr-asura/
公式X（旧Twitter）：＠dr_asura_drama