堺雅人、『VIVANT』続編は「神話の登場人物を生きているよう」 海外ロケ地の“ヒント”も

 TBS日曜劇場『VIVANT』続編発表についての記者会見が6月11日に同局で開催され、主演の堺雅人、原作・演出・プロデュースの福澤克雄が登壇した。

 2023年にTBS系で放送された日曜劇場『VIVANT』。壮大なモンゴルでのロケ撮影をはじめ、堺を中心に阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也、役所広司、林遣都ら主演級クラスの俳優が勢揃いしたキャスト陣の競演、第1話からちりばめれていた数々の謎……日本のドラマ史に残るスケールの大きさに多くの視聴者が熱狂した。

 最終話が謎を残した終わり方だっただけに、視聴者、およびキャスト陣からも続編を希望する声が挙がっていたが、ついに続編が2026年に放送されることが正式発表された。

堺雅人

 主演の堺は、「ようやく始まったという感じです。前作の終わりから、自分の中では次がきっとあるだろうと思っていたので、やるなら早くやりたいと思っていました。自分も慌てて頑張っていたので、こういうお話をいただいてとても嬉しいです。今は本当に無事にみんなで走り抜けることだけを考えています」と続編発表に喜びのコメント。

 数々の代表作がある堺にとっても、『VIVANT』は特別な一作になっていると明かす。

「自分の全部をかける価値のある濃密な作品です。台本を読ませていただきながら、福澤監督が頭を絞って魂を絞って書いた文字の一文字一文字という感じがとてもするんです。頭だけじゃなく、深層心理まで全部が入っているような……。その後の展開をいろいろ考えた中で『これしかない』『これでいいのか』というもの、読んでいてエネルギーの影のようなものがすごく染み付いている台本なんです。福澤監督が魂をかけて書かかれた物語を、全身全霊で演じること。今できるすべてをそこにぶつけたいなと思っております」

 気になるストーリーはまだ発表前だが、前作のラストシーンから始まる完全な“続きの物語”になるという。

堺雅人

「前回の伏線として気になっていたところが、台本を読みながら『こういうことだったのか』と。前回解き明かされなかった謎が、謎だと思っていなかったことが『言われてみれば、そこはちょっと気になっていたなあ』ということを改めて気づくような内容になっています。もう一回前作を観ていただくととても楽しいんじゃないかな。『あの時間、あの時にあの人たちがあんなことしてたんだ』ということを、考察しながら楽しめる台本になっています」

 福澤監督は堺の魅力について問われると、「役者になるために生まれてきた人」と絶賛し、続編ではさらに難易度の高い役作りに挑戦することを明かす。また、福澤監督は堺の演技力について具体的なエピソードも披露。『VIVANT』では、「30ページくらいの台本で、最後に説明させるシーンがあったんですけど、30ページほとんど一人で喋っているのを1回も間違えなかった」と振り返り、「10回ぐらいやって、それを最後まで1回も間違えなくてやった時、この人は凄すぎると思った」と当時の驚きを語った。その上で「乃木憂助という役を堺さんじゃなかったら成り立たない」と断言し、「今回そのレベルにあった役を作った」として、続編では堺の能力に見合ったさらなる挑戦を用意していることを示唆した。

堺雅人

 一方、堺は福澤監督の演出について「全力でぶつからないとこちらが粉々になってしまう、その迫力」と表現。「そんなことできるのかな」と思うような無謀とも思える演出でも「やってみるとやれちゃう不思議さ」があると語り、監督への絶対的な信頼を示した。

 堺は福澤作品の特徴を「ごまかしがきかない」「ものすごく緻密に作られている部分もあるが、同じぐらい言葉になっていない熱量がすごく多い」と分析し、今回の続編も「神話の登場人物を生きているよう」と評価した。

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