染谷将太、『べらぼう』唐丸として歌麿として最高の笑顔 写楽の正体も改めて考察
改めて、東洲斎写楽は、寛政6年(1794年)5月に突如として登場し、約10カ月間だけ活動した浮世絵師だ。特に歌舞伎役者の表情を大胆に捉えた「大首絵」で知られる。すべての作品は蔦屋重三郎を版元としており、蔦重が写楽を大々的にプロデュースしたことは間違いない。しかし、その実在の人物像についてはいまだに謎に包まれている。
写楽の正体については、これまでに数十もの説が唱えられてきた。中には「写楽=蔦屋重三郎」という説もあり、版元である蔦重自身が「写楽」という名で絵を描いていたとする説だが、ドラマ的にも、現実的にも信憑性は薄い。そのほか複数の画家が「写楽」という“ペンネーム”でリレーしていたという「集合体説」などもある。
『べらぼう』第18回を通してSNSにて盛り上がっているのが、「写楽=歌麿説」説だ。石燕から「三つ目小僧」と呼ばれ“写して絵を描いた”唐丸が、蔦重の仕掛けで“写楽”を名乗るという流れだ。手塚治虫の漫画『三つ目がとおる』の主人公は、三つ目の“写楽”だが……。
脚本の森下佳子は、「写楽が誰だったのかということよりも、蔦重が何を狙ってプロデュースしたのかに重点を置いて描く」と語っている(※)ことから、写楽の正体が明確に示されるとは限らない。むしろ、写楽という存在を通じて蔦重のプロデューサーとしての戦略や意図が描かれていくのかもしれない。
参照
※ https://steranet.jp/articles/-/4320
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK