【ネタバレ全開!】『サンダーボルツ*』トリビア解説 ついに明かされたアスタリスクの意味

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!今回は『サンダーボルツ*』のネタバレ全開のトリビアです。

 今回のコラムは『サンダーボルツ*』をすでにご覧になった方を対象としたコラムです。ネタバレ全開でいきます。

なぜ落下シーンから始まるのか?

本編映像|「サンダーボルツ*」エレーナの虚無感||5月2日(金)日米同時公開!

 映画の冒頭はマレーシアのクアラルンプールにある超高層ビルからエレーナ(フローレンス・ピュー)がダイブするシーンから始まります。

 このビルはもちろん実在のビルで、高さ678.9メートルを誇る、世界で2番目に高いビル、ムルデカ118です。このシーン、エレーナを演じるフローレンス・ピューが自らスタントをこなしたことも話題です。5月にトム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル:ファイナル・レコニング』が公開されるから、彼女なりのトム・クルーズに対しての挑戦状だったのでしょうか?(笑)ちなみにこのシーンは『アベンジャーズ/エンドゲーム』において、惑星ヴォーミアの高い崖から身を投じたエレーナの“姉”であるナターシャ/ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の行動を彷彿させます。ナターシャは崖から飛び降り彼女の物語を終わらせました。逆にエレーナのストーリーはこの落下から始まるのです。

あのメルのペンダントの意味は?

 本作において印象的なキャラの一人が、ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)の秘書メル(ジェラルディン・ヴィスワナサン)です。

 映画オリジナルっぽいですが、実はコミックの『サンダーボルツ』にはメリッサ・ゴールドという人物が登場し、彼女はソングバードという音(発声)を使って活躍するヒーローとなります。どうやらこのメリッサを意識してメルというキャラが作られたようです。劇中メルは鳥=バードがデザインされたペンダントをしており、目ざとい海外のファン何人かは、これがメル=ソングバードであることの証と主張しています。

タスクマスターのリキャスト?

 衝撃的だったのはタスクマスター(オルガ・キュリレンコ)の死。実は生きていたパターンで途中復帰かと思ったのですが、出てこなかった。ただこのシーンのおかげで、この先あのメンバーの誰が死んでもおかしくないという緊張感が生まれたともいえます。タスクマスターの正体が女性でありナターシャと因縁のあるドレイコフの娘というのはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のオリジナル設定であり、映画『ブラック・ウィドウ』に登場しました。コミックではアンソニー“トニー”マスターズという男性です。MCUとしては将来的にコミック版の設定に基づいたタスクマスターを登場させるため、一旦MCU版の方をここでリタイアさせたのかもしれませんね。

“左から失礼”などキャプテン・アメリカへのメンション

 ジョン・ウォーカー/USエージェント(ワイアット・ラッセル)が電源を壊す際、このセリフを言ってエレーナたちの作業に割り込みます。これは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)が言ったセリフであり、『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではまだファルコンだったサム(アンソニー・マッキー)が言いました。つまり、MCUの2人のキャプテン・アメリカが言ったセリフです。

 それを“キャプテン・アメリカもどき”のウォーカーが言うのが面白い。なお本作『サンダーボルツ*』では最後のほうの戦いでバッキ―が車の扉を盾にしますが、これは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でスティーブがタクシーの扉を盾にするシーンを意識していると思います。また劇中、修繕中と思われるワシントンDCの塔が映りますが、これは恐らく『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でレッド・ハルク(ハリソン・フォード)によって損傷したからでしょうか?

サンダーボルツ*はニューアベンジャーズだった! ついに明かされたアスタリスクの意味

 本作のタイトル『サンダーボルツ*』の「*」(アスタリスク)が何を意味するのか、ファンの間で憶測が飛び交っていましたが、一番多かった説が、これは“このチーム名は注釈付きである”ということを示唆しているのだと。つまり『サンダーボルツ(仮)』『サンダーボルツ(変更の可能性あり)』みたいなニュアンスだろうと。実際、サンダーボルツは新しいアベンジャーズ(ニュー・アベンジャーズ)だったわけですから、「*」はやはり「(仮)」「(変更の可能性あり)」だったわけですね。

 ちなみに、コミックでは2005年にメンバーを少し変更した『ニューアベンジャーズ』なるコミックが発刊。スパイダーマンとウルヴァリンがアベンジャーズ入りした画期的なシリーズです。その最初のエピソードで、特殊な刑務所ラフトに収監されていたセントリーが復活するという展開になります。

 そう、コミックにおいてセントリーが再フィーチャーされたのが『ニューアベンジャーズ』誌であり、映画においてセントリー(ルイス・プルマン)が登場したのは、映画『サンダーボルツ*』=『ニューアベンジャーズ』ということです。

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