2025年春クールは『ガンダム』だけじゃない アニメ好きが注目したいダークホース3作品

ゆる~く旅行気分を味わえる『ざつ旅-That's Journey-』

『ざつ旅 -That's Journey-』PV第2弾

 忙しい毎日から解放されて、ゆっくり旅でもして癒されたい……。そんな人には、日本全国の観光名所を旅情たっぷりに描く旅アニメ『ざつ旅-That's Journey-』をオススメしたい。

 主人公の鈴ヶ森ちか(CV:月城日花)は、漫画家志望の女子大生。編集部にボツを食らって落ち込んでいる最中、ふと“旅に出たい”という気持ちに駆られ、思いつきでSNSにて旅の行き先のアンケートをとる。そしてその結果に従って、日本全国を旅していく。

 タイトルにもある通り、主人公の旅路でいい意味でとても雑(ざつ)。「上の方」というアンケート結果に応えるために駅で見つけたチラシにあった福島県会津若松を目指し、観光名所を堪能したあとは予約なしで旅館に飛び込んで温泉へ。そして目的もなく温泉街をぶらつき、たまたま見かけた神社に入っていく。

 しかし旅をしている最中の描写はとても丁寧で、観光名所以外の街並みをリアルに描くのはもちろん、歴史的な建造物のなかで「木の匂いがする」とレポートする場面などもある。観ているだけでちょっとした旅行気分を味わえるだろう。

 ただしご当地グルメや駅弁などにもスポットが当たるので、空腹のときに観るのはある意味危険なアニメかもしれない。

誰もいなくなった地球で異星人と交流……『アポカリプスホテル』

『アポカリプスホテル』第2弾PV

 『アポカリプスホテル』は、サイバーエージェント×CygamesPicturesによるオリジナルアニメ。終末後の世界を描くいわゆる“ポストアポカリプスもの”と、ホテルを舞台としたハートフルなストーリーを組み合わせた作品だ。

 物語の舞台は、人類がいなくなり、文明が崩壊した後の東京・銀座にあるホテル「銀河楼」。そこではホテリエロボットのヤチヨ(CV:白砂沙帆)と従業員ロボットたちが、お客様が来ることをひたすらに待ち続けていた。そして100年ぶりに「銀河楼」へとお客様が訪ねてくるが、それは人間ではなく地球外生命体だった……。

 ヤチヨを含むロボットたちは、いつかやってくる人間に最高のおもてなしを提供するため、来る日も来る日もホテルを整備する。長い時間が過ぎ去り、すでに何台ものロボットが再起不能になっているが、彼らは人間に対して怒りも悲しみも抱いていない。健気に命令を遂行し続ける姿には、胸を打たれるものがある。

 そしてホテルにやってくる地球外生命体は、人間とはまるで違う生態の持ち主だ。そんな相手をいかにしてヤチヨたちが満足させるのかが、大きな見どころとなっている。

 キャラクター原案は、『てけてけマイハート』や『あおいちゃんパニック』で知られる漫画家の竹本泉。あの独特のかわいらしいタッチをアニメーションとして再現しているので、それだけでも一見の価値がある。

 さらにシンガーソングライターのaikoが、OP主題歌とED主題歌の両方を担当。まるで一流ホテルのおもてなしのように豪華な布陣だ。

 ハードなガールズバンドアニメに癒し成分たっぷりの旅アニメ、そしてSF濃度の高いポストアポカリプスアニメ……。今期のダークホース枠には、特色豊かな作品が揃っている。いずれも好きな人にはたまらない個性派アニメなので、ピンときたならぜひチェックしてみてほしい。

■放送情報
TVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』
TBS系にて、毎週木曜23:56~放送
キャスト:関根明良(鈴ノ宮りりさ)、島袋美由利(黒鉄音羽)、福原綾香(院瀬見ティナ)、藤原夏海(白矢環)
原作:『ロックは淑女の嗜みでして』福田宏(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督:綿田慎也
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:宮谷里沙
ビジュアルディレクター:ソエジマヤスフミ
助監督:安川央里
色彩設計:大塚眞純
美術監督:坂上裕文
美術設定:浅見由一
CGディレクター:坂口遥佳
撮影監督:渡辺実花
編集:齋藤朱里
音響監督:菊田浩巳
オープニングテーマ:「Ready to Rock」BAND-MAID
エンディングテーマ:「夢じゃないならなんなのさ」Little Glee Monster
アニメーション制作:BN Pictures
©福田宏・白泉社/「ロックは淑女の嗜みでして」製作委員会
公式サイト:https://rocklady.rocks
公式X(旧Twitter):@rocklady_info
公式Instagram:@rocklady_info

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